中国偽物iPhone5 騒動 アンドロイドOS搭載機も間もなく登場か
チャイナガジェット情報サイト「GIZ-CHINA」や、複数の香港紙などの情報によると、今年秋に発売予定のiPhone5 の“山寨機”、つまりパチモンが中国の深セン市内で販売されているという。価格は200~500元(2600~6500円)前後で取引され、深センの“アキバ”と言われる「華強北路」などで販売されているという。
現地報道によれば、このパチモンiPhone5 の外観はアップルから流出したとされるものとそっくりで、音量調整やミュートボタンの一部の配置こそ違うものの、角部分が流線型になっているという。厚さは7mmで、iPhone4よりも薄い。ちなみに搭載されているOSはもちろんiOSではなく、山寨機にありがちなJavaをベースにしたOSらしい。
本誌人気連載「中華人民毒報」で活躍中のルポライター・奥窪優木氏は、昨年、パチモンiPadの工場に潜入したことがある。今回のパチモンiPhone5の騒動について聞いてみた。
「深センには、昨年多くの自殺者を出して話題になったアップルの委託製造工場・フォックスコンがあり、現在40万人あまりが働いています。またケースやカバー、周辺機器を作る工場なども多数あり、発売前に携帯の仕様やデザインが漏れるのは今や当たり前です。昨年8月にはアップルのグローバル・サプライマネージャーが情報漏えいでFBIに逮捕される事件も起こっていますしね。iPad発売時のときも、流出したデザインを元に、本家アップルより先に似たデザインのタブレットPCが複数、発売されました。だから今回の騒動も、さもありなんでしょう。今回も業者が深センやアメリカから漏れた情報をもとに、先に作ったんでしょうね。iPhone5の正式発売は現在、10月前後といわれてますから、本物が出る間までの2か月の間で、売りまくるつもりなのでは」
奥窪氏によると、「中国では“山寨の山寨”、つまりパチモンのさらにコピー品が出回るのが常。本家の発売前に、アンドロイドOS搭載のパチモンiPhone5が出てくるのも時間の問題でしょうね」
パチモンiPadのように、パチモンiPhone5も本家発売前に秋葉原に並ぶかもしれない。
取材・文/バーナード・コン(本誌特約)
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