世界最大の将棋大会『第1回将棋ウォーズ名人戦』観戦レポ
―[第1回将棋ウォーズ名人戦]―
去る5月30日より開催されていた『第1回 将棋ウォーズ名人戦』が、6月9日で最終日を迎え、その模様がニコニコ生放送にて生中継された。
「将棋ウォーズ」は、iPhoneやiPad、Androidのスマホやタブレット、パソコンのブラウザなどでオンライン対局ができる将棋アプリ。『第2回 将棋電王戦』で史上初めてプロ棋士に勝ったコンピュータ将棋ソフト「ponanza」の山本一成氏が開発に参加していることでも話題となり、現在の利用者は65万人。アマチュアだけでなくプロ棋士もコッソリ参加しているようで、まさに世界最大規模の将棋大会になることが予想されていた。
「将棋ウォーズ」のオンライン対戦で持ち時間として選べるのは、3分と10分の2種類のみ(オフラインの対CPU戦では無制限)。時間がなくなると「(時間)切れ負け」になるので、最長でも20分で勝ち負けが決まる。いつでもどこでも、短い時間で気軽に将棋を楽しめるというコンセプトだ。
「『将棋ウォーズ』では将棋の強さより反射神経のほうが重要ですね(笑)」(解説のプロ棋士・遠山雄亮五段)
ゲーム中では「ponanza」が自分の代わりに5手指してくれる「棋神降臨」も使えるので、実力差がある相手にも勝てる可能性がある。さらに、勝ったり負けたり「王手」をしたりといった場面に飛び出すド派手な演出に加え、特定の戦法を採用すると、その戦法にちなんだプロ棋士のイラストが入ったカードが出現。自分が好きなプロ棋士のカードを集めるという要素も盛り込まれている。
https://nikkan-spa.jp/457093 番組には「GPS将棋」とのトライアルマッチ(https://nikkan-spa.jp/403267)で見事100万円を獲得した「あじ夫(安食総子女流初段の夫)」こと細川大市郎氏や、東大将棋部主将の奥村雄太氏、同じく東大将棋部所属でプロの養成機関である奨励会員の谷合廣紀三段ら強豪も駆けつけ、その場で対局に。ランキング上位同士(※)の超ハイレベルな戦いを披露した。 ※「将棋ウォーズ」のオンライン対戦では、自分の強さに合わせた相手が自動的にマッチングされる。 『第1回 将棋ウォーズ名人戦』のランキング上位は、勝ち負けを点数化した「レーティング」に基づく段位によって順位が決まる。野球の首位打者争いのように、上位ランカーは対局しないほうがよい場合もある。逆に下位は少しでも勝ち星を積み重ねたいので、3分切れ負けの「弾丸モード」で連勝するしかない。 「実は僕もランキングに入ってたんですけど、きょうはもう消えちゃいましたね(笑)」(遠山雄亮五段) この日は結局タイムアップの23時ギリギリまで熱戦が繰り広げられ、ランキングの順位が確定。大会期間中の合計で6万人もの参加者を集めたとのことで、ネット将棋の新しい盛り上がりを見ることができた。 「将棋ウォーズ」はアカウントさえ作れば無料で1日3局までオンライン対戦可能で、プロ棋士クラスの上位ランカー同士の観戦も無料。それほど強くない筆者も、ほぼ初心者のカメラマンもプレイしているが、十二分に楽しめている。将棋に興味がある方は、ちょっとのぞいてみてはいかがだろうか。 ⇒【フォトレポート】はこちら https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=457103
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ