更新日:2013年11月11日 09:03

投資の要諦「ボロ株を買って人気銘柄を空売り」

ノーベル経済学賞は、市場の予測研究を行った3人の教授に授与された。インデックス・ファンドやクオンツ・ファンドに応用されているという ◆今年のノーベル経済学賞と、単純にPBRやPERが低い銘柄を買えば儲かるというバリュー効果【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏) ⇒【前編】「今年のノーベル経済学賞からわかる投資法とは?」はコチラ  投資家の非合理性などに注目するのが行動ファイナンスである。人間の心理バイアスなどにより株式市場では時に株価が間違ったままになっている。しかし、行動ファイナンスが正しいなら、そんなミスプライスに関する理論を論文に書いて発表するより、実際に自分で株の売買でもしたほうが得だ。 ◆天才たちが運用するクオンツ・ファンドの実態  そして、株式市場に関していうとそうしたミスプライス(と信じられているもの)を利用するのは、実は驚くほど簡単なのだ。それは「バリュー効果」と呼ばれているもので、数十年にわたって検証されている。単純にPERやPBRが低い銘柄のパフォーマンスがいいのだ。こうした銘柄はみんなから忘れられているボロ株に多い。逆にみんなが注目している銘柄はPERやPBRが高い。つまり、ボロ株を買って、人気銘柄を空売りしていれば儲かるのだ。  実は、“ロケットサイエンティスト”と呼ばれる天才たちが運用するクオンツ・ファンドというのは、低PERを買うというのを高尚なかたちでやってるだけなのだ。 【今週の数字】 バリューとグロースのパフォーマンスの差 +5% 日本の株式市場をPBRを基準に分けて、それぞれのポートフォリオのパフォーマンスを見ると、低PBR(バリュー)が高PBR(グロース)を年間5%程度上回る
株式市場

日本の株式市場をPBRを基準に安いほう(バリュー)と高いほう(グロース)に分けて、それぞれのパフォーマンスを計測すると、過去405か月間でバリュー対グロース対決は230勝175敗でバリューの勝ち。年換算でバリューが5%ほどグロースを上回る

【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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