更新日:2014年01月10日 16:29
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「じぇじぇじぇ」「おもてなし」駅弁を発見【第49回・駅弁大会】

岩手県 東北新幹線 盛岡駅「じぇじぇじぇうに弁当」真ん中から出ているヒモは加熱式!?

 盛況が続く、日本一の駅弁大会「第49回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。記者は2日目も開店前から並び、開店と同時に入店、300を超える駅弁のなかから名品、珍品を血眼になって探している。  昨日お伝えした「名人夢の競演」の特別企画(https://nikkan-spa.jp/565989)のほかに蟹、鮭、アワビをメインにした「豪華海鮮対決」と銘打たれた駅弁も実演で販売され、長い行列を作っている。  しかし、この駅弁大会で最も長い行列ができるところがある。それは「輸送駅弁」のブースであり、この大会で販売される駅弁の約9割が連日生産地から輸送でこのブースに集結するのだ。会場地図の番号から「A-0(ゼロ)」と京王駅弁大会通から符丁で呼ばれており、ブースに入るまで1時間待ちということもザラの「最激戦区」なのだ。 「輸送駅弁」のブースは客が殺到するだけあって、宝の山。今日は記者も開店と同時に全速力で歩き(ダッシュは禁止されています)、ブースに入るまでさらに10分並んでお宝を物色すると……ヒットの予感がする駅弁を発見した! ◆おら、ウニが食いてぇ!  東北のコーナーで輝いていたのは「じぇじぇじぇうに弁当」(岩手県 東北新幹線 盛岡駅/1300円)。パッケージには「あまちゃん」のロゴ。NHKの商標入りということはライセンス商品だ。ドラマのモデルとなった三陸鉄道北リアス線の駅弁でないのは残念だが、パッケージ写真はあの「ウニ丼」を彷彿とさせるド直球のウニが敷き詰められている。しかも加熱式の弁当でアツアツのウニ丼が食べられるとは嬉しい限りだ。  早速加熱容器のヒモを引くと、蒸気がもうもうとたちこめる。同時に広がる磯の香り……。待つこと5分、蓋を開けるとトロッと艶めかしく光ったウニが現れた。ウニの上には貝殻型の容器に入った蒸しアワビ、めかぶ、そしてお新香。シンプルイズベスト、「ウニに胸キュン」だ。  ふわっと蒸されたウニは下にひかれた醤油ご飯との相性も抜群。口の中にも濃厚な磯の香りが広がる。弁当のウニにありがちなミョウバン臭さは微塵もない。途中から、あわびとめかぶを混ぜて、あっという間に平らげた。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=566683

ふっくらと蒸されたウニがとろけて……

◆青森・八戸産の駅弁に「じぇじぇじぇ!?」  ドラマではユイちゃん効果でウニ丼のウニが不足したとき組合長が「八戸の漁協に話をつけた」と言って八戸から”緊急輸入”していたが、その青森県・八戸から実際にウニの弁当がやってきていた。その名も「じぇじぇじぇ北リアス弁当」(青森県 東北新幹線 八戸駅/1200円)。こちらも「あまちゃん」のロゴ入りだ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=566689

あれ、ちょっと似てるなとは思ったのだが……

 箱を開けると、ウニ、アワビ、イクラ、トビッコがぎっしりと敷き詰められ、その間を波のようにめかぶが漂っている。こちらは加熱式ではないので、冷たいまま食したのだが、ウニのマッタリと濃厚な風味と、醤油漬けイクラ、トビッコのプチプチ感、アワビのコリコリ感が相まって、贅沢な感覚に襲われる。醤油で炊かれたご飯も薄味で素材の味を引き立てている。これはウマい!  今回は購入しなかったが、八戸駅にはウニのほかにズワイ蟹やホタテ、イクラなど9種類をのせた「潮騒の彩り」(1200円)や大ぶりのホタテとアワビがドンとのった「海女の大漁めし」(1300円)など、どことなくドラマを彷彿とさせた新作駅弁が多い。  製造者のラベルを見ると、これらはすべて八戸の老舗「吉田屋」製だということが分かった。ふと前述の岩手の「じぇじぇじぇうに弁当」のラベルを見ると……じぇじぇじぇ! これも八戸の「吉田屋」製! ドラマのように岩手でウニが不足しているのかどうかは分からないが、会場では「盛岡駅販売」と表記されていたウニ丼はFrom八戸であった。どちらも美味しく完成度の高い弁当なのだが、少々動揺したのは言うまでもない……。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=566694

ウニ、イクラ、アワビ……海鮮系弁当のアイドルたちが集結!

◆世界への「お・も・て・な・し」は東京の駅弁から  東京の名作駅弁と言えば「深川めし」だが、今年は初登場の駅弁があった。その名も「日本のおもてなし弁当」(東京都 東海道本線 東京駅/1100円)。2020年の東京五輪にちなんだ新作弁当かと思いきや、2010年の訪日外国人旅行者数を1000万人にするという政府観光局のプロモーション「ビジット・ジャパン・イヤー」を記念して制作、2010年3月末までの限定販売だった予定も、継続販売されていた駅弁だという。なんと「おもてなし」に関しては駅弁のほうが一歩先に行っていたのだ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=566697

流行語になる3年前には商品化されていた!

 パッケージやお品書きには日・英・韓・中・台湾の5か国語を配し、中身は海老とキスの握り寿司、ちらし寿司、海老の天ぷら、江戸巻き、松前漬け、煮物など伝統的な和食を盛り込んだ幕の内弁当だ。外国人にどれくらい売れているのかは定かではないが、外国人旅行者に売り込もうとする意気込みを感じる「プレゼンテーション心溢れる駅弁」ではないか。  上記の駅弁は各日数量限定なので、お求めの際は早めに会場に行かれることをおすすめしたい。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=566698

5か国語のお品書きつき。品数が多いのも「おもてなし」か

【第49回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】 1月9日(木)~21日(火) 京王百貨店新宿店7階大催場 午前10時~午後8時 ※15日(水)・21日(火)は午後5時閉場 http://www.keionet.com <取材・文・撮影/駅弁記者(参加=7年連続12回目)>
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