更新日:2015年06月24日 14:04
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天才ピアニストのイタリア人に、急に呼び出されてみた【ジョヴァンニ・アレヴィ来日インタビュー】

ジョヴァンニ・アレヴィ

ジョヴァンニ氏が着ているTシャツはサイズフぴったりだという特注品。胸に漢字の「響」が光る。このTシャツを着るのは2010年の日本ツアー以来、とのこと

 また今年も、「21世紀のモーツァルト」が日本にやってきた! 世界的な成功を収めている作曲家・ピアニストにして、「前世は本当に日本人だったかもしれない」と思っているほど日本を愛してやまないイタリア人アーティスト、ジョヴァンニ・アレヴィ氏(Giovanni Allevi)が6月16日に5度目の日本ツアーのために来日した。そして、ジョヴァンニ氏はなぜかSPA!をも愛してくれており、その日の夕方に「急だけど、明日インタビューに来ませんか? 話したいこともありますし」とのお誘いが。  そりゃ、ミラノの野外コンサートに1万2000人集めたりローマ法王に楽曲を献上したりするようなビッグアーティストにご指名されれば馳せ参じますとも! ということで、6月17日、翌日に東京でのコンサートを控えたジョヴァンニ氏に通算3度目となるインタビューを行うことになった。  前回の来日ではうどん、それも昆布出汁のうどんにハマった(参考⇒https://nikkan-spa.jp/464036)というジョヴァンニ氏だが、今回の来日初日の夜はうどんではなく鉄板焼屋でディナー。そこで、なぜか生まれて初めて「食事をゆっくり楽しむ」ということに目覚めたという。でも勝手なイメージかもしれないがイタリア人ってゆっくり食事をするんじゃないですか、と問うと「ボクハニホンジンカモシレナイ(日本語で)。僕はイタリア人より日本人に近い性格なんですよ」と笑って、哲学的なことを語り出した。 「(ジョヴァンニ氏が住んでいる)ミラノではスーパーで買い物をしたり、台所で皿を洗ったりという日常生活の“循環”の中で集中力を高めていき、音楽を創ったり演奏をしたりしています。修行というか、そういう同じことを繰り返しながら少しずつ先に進んでいくという精神というのは、日本の精神とすごく近いものがある。言わば、禅の精神ですね」 「禅の精神」というものをさっぱり理解していない私には、このイタリア人の言っていることが正しいのかまったく判断できないのだが、なんとなくわかるような気もする。煙に巻かれた気持ちでいるうちに、大学では哲学を学び、著作がイタリアの哲学の賞にノミネートされた経験まであるジョヴァンニ氏の話は、哲学者の西田幾多郎や「京都学派」にまで及んだ。 「西田幾多郎は東洋哲学と西洋哲学の融合を目指しましたが、私の関心も今、その結びつきに向かっています。ただ、どうしても私の生活は演奏が中心で、演奏に集中をしなくてはいけません。しかし、そういった哲学を紐解きながら演奏生活を続けるというのは大事なことなので、もし京都大学などを訪れる機会に恵まれたらうれしいですね」  こういった哲学的な関心事のほかに、今回の日本ツアーでは時間さえあれば、茶道生け花、さらには難しい折り紙の3つに挑戦し、「自分の内部にある日本人を引き出してみたい(笑)」と語るジョヴァンニ氏。 「今回で5回目になるのですが、日本にまた“帰って”きて、そのたびに私のファンが増えているのが実感できています。客席と自分がひとつに繋がる、という関係がはっきりと見えているので今回のツアーもまた、とても楽しみですね。タノシミニシテテネー(日本語で)」  来日するたびに、日本語の語彙や好きな食べ物が増えていくジョヴァンニ氏。新橋を軽やかに歩く彼を見ながら、いっそ、同じく世界的音楽家であり髪型も似てるのだから、マーティー・フリードマン氏のように日本に住んじゃえばいいのに、と思ったのであった。 ※昨年末に出た最新アルバム、ピアノへのこだわりなど、彼の本業である音楽の話を聞いたインタビューに続く⇒https://nikkan-spa.jp/663571 【ジョヴァンニ・アレヴィ ピアノソロ コンサート ジャパンツアー2014】 6月18日(水) 東京・浜離宮朝日ホール 音楽ホール 6月19日(木) 静岡・静岡音楽館AOI 6月22日(日) 京都・京都市立京都堀川音楽高等学校 音楽ホール 6月24日(火) 鹿児島・かごしま県民交流センター 県民ホール 6月25日(水) 名古屋・5/R Hall&Gallery 音楽ホール 6月27日(金) 大阪・あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール 詳細は以下へ http://le-himawari.co.jp/galleries/view/00064/00270 <取材・文/織田曜一郎(本誌) 通訳/堂満尚樹 撮影/難波雄史 取材協力/多治見智高>
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