小林可夢偉 F1日本GP直前インタビュー【後編】
唯一のF1日本代表が2度目の母国GPに挑む!
オーバーテイクキング可夢偉の[鈴鹿決意表明]!
◆あの素晴らしいオーバーテイクショーをもう一度!
ヘアピンで炎の5回抜き! 去年の鈴鹿F1は、可夢偉のオーバーテイクショーで最高に盛り上がった! 今年も間もなく、日本のF1ファンの期待を一身に背負う可夢偉が鈴鹿に帰ってくる! イタリアGPが行われたモンツァで“オーバーテイクキング”に話を聞いた。(⇒前編はこちら)
――ちなみに今、エンジン(1シーズン8機まで)は何機目?
可夢偉 「6機目です」
――鈴鹿ではもちろんニューエンジン投入?
可夢偉 「そうですね」
――じゃあ、アップデートとおニューのエンジンで鈴鹿に挑む。
可夢偉 「まあ、ニューエンジンはほかのところも入れるかもしれないので、なんとも言えない」
――鈴鹿F1は雨にたたられることが多いけど、晴れと雨、ザウバーのクルマの特性上どっちがいい?
可夢偉 「うーん、どっちでも大丈夫だと思うですけど。中途半端が一番困るかなってくらいで。どっちかにしてくれたらいい」
――「可夢偉応援席」7000席が完売しました。ヘアピンのI席(去年は席がなかった!)なんて、先行発売で即完売。どうしましょう?
可夢偉 「レースは『どうしましょうか』ってできるもんではないんで、いつも通りやるだけ。
――ヘアピンにはオーバーテイクを期待するファンが集結します。
可夢偉 「でも実際自分のレースをしないといけないんで。それに、期待に応えようとしてぶつかったら、それはそれでもっと残念じゃないですか。だからそういうノリには僕は引っかからない」
――今年は新たにDRS(オーバーテイク・ウイング装置)が採用されて追い抜きが劇的に増えましたが、抜きにくい相手は?
可夢偉 「あんまりいないですね」
――シューマッハ(メルセデス)やバリチェロ(ウイリアムズ)は?
可夢偉 「守り方がいやらしくてうまいっていうくらい。まあ、常にオーバーテイクは難しいことは難しいので、誰々がということをあまり意識しないようにしてる」
――ずばり、オーバーテイクの秘訣は?
可夢偉 「ブレーキを遅らさないといけないでしょう。あと、迷わない」
――鈴鹿での具体的な目標は?
可夢偉 「ポイントを取ること(10位以内)と、できれば去年(7位)よりいいところでゴールしたいけど、そんな簡単なことじゃないし、逆に去年より厳しいかもしれないので、今度のアップデートがうまくハマるようにしないといけない」
――2度目の母国GPに対する思いは?
可夢偉 「今年はバーニー・エクレストン(F1興行の代表)が3000人もの被災者を鈴鹿に招待してくれるので、僕は南相馬の少女合唱団を招待して、被災地の子供たちの歌(決勝前の国歌斉唱)を世界に届けます。だから、なにか勇気を与えられるレースをしたい。あとは自分の力を発揮できるように、楽しく自由にやりたいなと思ってます」
――でも、周りがそうさせてくれないでしょう。
可夢偉 「でも、しますよ!」
――最後に改めて鈴鹿の決意表明を。
可夢偉 「去年の鈴鹿がよすぎたんで、今年は難しいんですけど、今年は今年らしく、あれから1年さらに経験積んだことだし、鈴鹿に標準を合わせたアップデートがあるので、それなりに自信を持って戦わないといけない。最終的には、自分自身が楽しくレースすることが一番の目標かな」
――去年は楽しくなかった?
可夢偉 「去年はミスをしないことのほうが大事だったんで、今年は楽しく!」
――願わくは、去年のオーバーテイクショーの再現を期待してます!
可夢偉 「はい、頑張ります!」
取材・文/コンコルド足立 写真/Sauber Motorsport AG MOBILITYLAND
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