F1マクラーレンとホンダは本当にワンチームと呼べるのか?【2015】
F1復帰後初の母国鈴鹿F1日本GPを迎えたマクラーレン・ホンダ。結果は、ともにトップから1周遅れのアロンソ11位、バトン16位完走。入賞(10位以内)にも手が届かない惨敗だった!
来年の鈴鹿では逆に抜きまくるしかない! 日本メディアで2人しかいない全戦取材F1ジャーナリストの尾張正博、米家峰起両氏の解説をもとに、来年ホンダが大躍進するための特効薬を考えてみた!
◆160馬力不足するときがある!<ホンダのパワーユニット>
アロンソもバトンも、ホンダだから最初はトラブルが頻発してもパワーはそこそこ出してくるはずと、間違いなく思っていたはずだ。ところがパワー不足が一向に解消されず、我慢の限界が来ている。
「パワーユニットはエンジン+エネルギー回生システム160馬力分で構成されます。ホンダは対ルノーでいえば、エンジン単体では20馬力ほど上回っていますが、エネルギー回生に問題を抱えていて、全開率の高いサーキットではエネルギー回生が1周もたずに切れてしまう。サーキット全体のうち何%かはフルパワーでは走れない状態」(米家峰起氏)
ホンダは、トークンと呼ばれる改良切符を今季4枚残し、その弱点克服に向け、現在、開発は最終確認に入っているという。
「残り5戦のどのGPで投入されるかは不明ですが、来年に向けたテストにはるはずです。当初来年のパワーユニットは開発凍結とされていましたが、それでは今の性能差は変わらない。そこで現在、来年の開幕に向けてどれだけ開発できるかを各チームの代表者で話し合っていますが、まだ着地点が見えていない」(同)
メルセデス、フェラーリ、ルノーとの性能差は埋めるためには、どれだけ開発が許されるか。それがホンダの命運を握っている。
また来年、トロロッソにホンダのパワーユニットを供給するという噂も出ている。トロロッソに搭載すれば、マクラーレンより速いんじゃないかとも言われている。もし実現すれば、ホンダの汚名返上の絶好の機会になるはずだ。
<来年に向けての特効薬>
パワーユニットのレギュレーション次第!?
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◆もうひとつの心配事「マクラーレンとホンダは本当にワンチーム?」
日本GP前、実はマクラーレンとホンダの間にはひと悶着あった。
イタリアGPで新井総責任者が英国メディアから「辞任しないのか」「ドライバーに謝罪しないのか」など、批判的な質問を集中的に浴びた。実はマクラーレンが英国メディアを使って新井総責任者を糾弾したのだという。
次戦シンガポールGPで、マクラーレンのエリック・ブリエ(レーシングディレクター)が「我々はワンチームの哲学でレースに集中していくので、個人的な質問はやめてほしい」とメディアにくぎを刺したことで一応の決着をみたが、今でもマクラーレンとホンダの関係は微妙だという。
成績向上が関係修復の一番の特効薬になるのだが。
取材・文/コンコルド足立 写真/Honda McLaren MOBILTYLAND
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