F1 2016開幕。2年目もマクラーレン・ホンダはダメなのか?
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米家:テストのとき長谷川さんが「ついデータ見ちゃうんですよ」と言ってたように、ホンダF1第3期(’00~’08年)では現場の最前線で戦ってきたエンジニアです。ビルヌーブや佐藤琢磨の担当エンジニアから、現場統括のチーフエンジニアになり、’08年限りでホンダがF1から撤退しなければ、翌年から技術部門のトップを務める予定でした。
担当A:ホンダのエース登板と考えていいですね。
米家:最前線で欧州の人たちとやり合ってきた、F1を肌感覚でわかってる人。ホンダのF1スタッフには第3期時代に長谷川さんと一緒にやってきた人も多いから、新体制への移行もスムーズだと思います。
担当A:で、テストを見る限り、今年もマクホンは速くない。
米家:遅いですね。
担当A:まず、ホンダのパワーユニットですが、昨年の弱点は克服されたんですか?
米家:信頼性とディプロイメント(回生した蓄電エネルギーをコースのどの部分で使用するかの配分)不足という2つの大きな課題は間違いなく解消してます!
担当A:おお! メルセデス、フェラーリ、ルノーと比べてパワーは?
米家:まだトップのメルセデスとの差はありますが、戦えないレベルではない。少なくともルノーと同等、ホンダによればルノーを上回ってるはずという見解です。めちゃよくはないけど、悪くないレベル。とにかく信頼性を確保してきたことは大きな進歩ですよ。
担当A:ということは、テストで遅いのはマクラーレンの車体のせい?
米家:もういろんなところで書かれてますけど、テストではクルマのセットアップが全然決められなかった。自分たちがクルマを理解できてないわけですよ。この先のシーズンに向けて不安は募りますね。
担当A:目隠ししてでも走れるくらい走り込んでいるバルセロナでセッティングが全然決まらないって、クルマの素性が悪いんですか?
米家:昨年さんざん苦労したから、よくなってるはずですけど、空力を攻めすぎてる車体なので、挙動が過敏になりやすい。マクラーレンはまだそこをコントロールできてない。
担当A:まさか昨年に続いて今年も失敗作ですか?
米家:いやいや、僕はそんなことひと言も言ってませんよ(笑)。SPA!がそう言ってるだけですから! そんなこと言って、マクラーレンとホンダの関係がまた悪くなると困りますから。
担当A:なんでです?
米家:マクラーレンは日本のF1報道をめちゃチェックしてるんですよ。日本メディアが書いている=ホンダが言ってる、ホンダが書かせていると思ってますから。
担当A:SPA!までチェックしないでしょ。F1専門誌じゃないですから。では、マクホンのシーズン序盤の展望を。
米家:ポジティブにいえば、開幕戦メルボルンと第2戦バーレーンは、高速コーナーが少ないストップ&ゴーのコースだから、挙動が不安定という弱点はあまり出ないかもしれない。でも第3戦中国までにクルマの熟成を進めないと、中国でフラフラになって、ウイング立てて激遅になると、パワーがない=ホンダが悪いと言われかねない。とにかく開幕戦に投入される2016年フルパッケージに期待したいですね。
担当A:まぐれでもいいからそれが当たってくれないと、クルマが遅いのはホンダの責任にされてしまいますから。
米家:シーズンが進んでも一向に速くならなければ、じわじわとそういう話が出てくるかもしれません。みなさん、ダマされないようにしましょう(笑)。
担当A:それに序盤、ホンダのパワーユニットは絶対壊れちゃいけない。「今年もかよ」って言われちゃう。
米家:安心してください、壊れませんから(笑)。テストの2週目にほぼ開幕スペックのパワーユニットで2000㎞くらい走って、ノートラブルですから。
担当A:ホンダが掲げる「今年はコンスタントに予選Q3進出」という目標は達成できそうですか?
米家:テスト終盤になって「今のままではちょっと厳しい」と長谷川さんははっきり言ってました。
担当A:前途多難ですけど、クルマがどこまでよくなるかが、今シーズンのマクホンの命運を握ってるわけですね。ホンダF1に幸多かれと祈ります!
取材・文/コンコルド足立 写真/Honda McLaren
いよいよF1が開幕する!
昨年ダメダメだったマクラーレン・ホンダ(マクホン)は大丈夫なのか。開幕前バルセロナテストでマクホンに密着取材したF1ジャーナリストの米家峰起氏に聞いてみた。
担当A:日本のF1ファンに現地情報を届けるため、もちろん今年も21戦全戦現地取材ですよね?
米家:行きますよ!
担当A:すばらしい! フジテレビNEXTのF1中継の現地解説もやるんですか?
米家:FP1(フリー走行1回目)はいくつかやる予定です。
担当A:2年目のマクホンですが、ホンダの指揮官が長谷川祐介氏に代わりました。
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