歴史的小動きの中で選好された通貨とは?
資料参照>。これは、相場の安定局面で利回り志向が強まることを受けた結果といえるでしょう。
※<資料>はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=672291
記録的な小動きということで、最近と比較されることの多い2007年前半も、やはり上記の3通貨を含めた新興国、資源国通貨が対円での上昇率上位に目立っていました。
ところが、2007年も後半に入ると為替が円安から円高に転じ、そしてマーケットが全体的にボラティリティ(価格変動率)を高めるようになると、新興国、資源国通貨も軒並み下落率の拡大が目立ち始めました。
そして2008年は、サブプライム・ショック、リーマン・ショックなど金融危機の時代が始まり、それまでの記録的に低いボラティリティ、「低ボラ」は一変します。逆に記録的な不安定な相場が広がる中で、2008年の対円下落率上位には、資源国、新興国通貨が目立つようになりました。
さて、最近と同じように、記録的な「低ボラ」とされた2007年は、結果的には7月からの年後半、「低ボラ」の終わりが始まり、そのなかで通貨の強弱も大変動が始まっていたわけです。今回の場合、まだ「低ボラ」は続くのか、それとも2007年と同じように、相場はむしろ「夏枯れ」のこの7月から動き出すのか。
最初に述べたように、すでにドル/円小動きが最長記録を更新するほど長引いていることを考えても、いつ相場が動き出してもおかしくはないでしょう。そして、もしも「異例の夏大相場」になるようなら、通貨選択のテーマが大きく変化することになる可能性が高いので、頭の切り替えが必要になりそうです。(了)
◆7月の会場及びWEBセミナーのご案内
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7月26日=「為替の学校」M2JFXアカデミア・大阪1デー
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
為替相場は、ドル/円を中心に6月まで記録的な小動きが続いてきました。7月から9月にかけては「夏枯れ相場」とされ、例年小動きになりやすい傾向が強い時期になりますが、それではこの小動きがさらに大幅に続く足掛かりの7月になるのでしょうか。
◆最近と似た2007年の相場を参考にする
今年前半を通じて小動きとなるなかで、対円で上昇したのはブラジル・レアル、NZドル、豪ドルといった代表的な新興国、資源国通貨でした<
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