「スピードへの情熱はないです。危ないし、警察に捕まるし」与沢翼のクルマ感
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
去ること今年4月26日に、自身のFacebookで「資金が完全にショートした」として、代表取締役を務めるフリーエージェントスタイルホールディングスが破綻状態にあることを明らかにした与沢翼氏。フェラーリやロールスロイス・ファントムIIなどを乗り回し、そして失った秒速の男にとって、クルマとは何だったのか?
◆与沢翼にとってクルマとは何だったのか? 聞いてみた!
<対談>与沢 翼×清水草一【後編】
⇒【前編】「若い頃の憧れはセルシオ。700万円貯めて新車で買いました」
清水:スピードへの情熱は?
与沢:そういうのはないです。
清水:元暴走族なのに!?
与沢:スピード出すと危ないじゃないですか。警察に捕まるし。
清水:ロールスを買ってからは運転も卒業。与沢さんって、あんまりクルマ好きな感じじゃないですね(笑)。
与沢:僕にとってクルマは、人生のモチベーションだったんです。でも、ここ数年で欲しかったクルマはほとんど乗ってしまった。買わなくても、全部運転させてもらいました。で、クルマのことはわかったので、もういいという感じになりました。
清水:悟りを開いたんですか?
与沢:あえて言えば、ファントムにはもう一回乗りたいです、復活したら。いつになるかわからないし、たとえまたファントムを買えても、もう見せびらかしたりはしませんけど。運転手付きならロールスが頂点、自分で運転するならフェラーリが頂点だと思いますね。
清水:それについてはまったく同感です。でもランボルギーニは?
与沢:あれは戦車みたいで、乗り心地が悪いんです。僕はいらないな。
清水:そこも意見が合いますね(笑)。
与沢:クルマは一番実用性が高いし、コストパフォーマンスがいい。ヘリとかジェット機とかクルーザーとか、あまり役に立ちません。
清水:空や海じゃ人に見てもらえないけど、クルマは舞台が地面ですからね。もう一度クルマをモチベーションにしませんか?
与沢:うーん、僕にとってクルマは、もはや小さな欲望になりました。
清水:残念。
●近著『告白』(扶桑社刊)。’11年に10万円の資金でネットビジネスに参入し、半年で7億円を稼いだことで一躍有名に。しかし今年4月に経営危機宣言し転落。その一部始終を告白している
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