更新日:2017年03月21日 01:53
カーライフ

手放し運転OK!クルマの自動運転技術。最先端ではドライバーはただの監視役

広い世界には、さまざまな格差があります。それはクルマを見れば一目瞭然。自動車先進国ドイツで手放しのクルマの開発が進められているかと思えば、インドネシアでは20年以上前の日産マーチみたいな乗り心地のクルマが、最新のクルマとして走っております。今回は、国ごとに違うクルマの最新事情をまとめてみました 自動車西村直人=文 Text by Nishimura Naoto ◆手放し運転から燃料電池車まで世界で異なる最新クルマ事情 「体力の温存と時間の節約」。これがドイツのダイムラー・トラックの最新大型トラック「FT2025」のコンセプトだ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=779869 FT2025 この大型トラックには、メルセデス・ベンツの乗用車が搭載する各種センサーの改良版に加えて、乗用車ではまだ実用化されていない広域無線LANや、路車間&車々間などの通信技術が搭載されている。  これによりセンサーの検知範囲内であれば、システムによる自律操作によって円滑な走行が保たれるため、ドライバーはハンドルやペダルに一切触れず、リラックスした姿勢で監督役に徹するだけでいいのだ。  とはいえ完全な自律自動運転は、まだ無理だ。切羽つまった時は、自動的に急ブレーキが掛かり、危険を回避してくれるが、基本的にはドライバーのブレーキ操作やハンドル操作で危険回避を行なう必要がある。  そのため「FT2025」には、自車周囲500mの道路状況や、他車の動きを通信技術によって監視する特別なシステムが与えられた。こうすることで、「今から○秒後に自律自動運転が解除される」といった情報が、車載のPDAを通してドライバーに送られる。この情報は、自律自動運転が解除される10~20秒前に伝えられるので、ドライバーはゆとりをもって対処できるわけだ。  こうした技術開発は、物流業に従事するドライバー不足と、その高齢化対策としての意味合いも強い。自律自動運転によってドライバーの運転負担が軽減されると同時に、自律自動運転中にクラウドを活用してデスクワークを済ませることで、ドライバー1人当たりの総労働時間も減少する。つまり、事業者にとっても労働コストが減るという大きなメリットが生み出せるわけだ。 ⇒【後編】『インドネシアの最新自動車は20年前の日産マーチ並み!?』に続く https://nikkan-spa.jp/778267 ●横向き運転OK! 手放しでアクセルもブレーキも不要 試験車両である「FT2025」の本来の狙いは、先進安全技術や自律自動運転技術を2025年までに実用化していくというメッセージを発信すること。課題は公道で手放し運転を行なうための法整備だが、すでに欧州では見通しがついた
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