関東の橋の3本に1本が“今すぐ”崩落してもおかしくない!? 「歩道橋・橋梁」老朽化の惨状
―[[首都圏インフラ]老朽化の危機]―
51年前に開催された東京五輪に際して、大規模なインフラ開発が行われた首都圏。しかし、2度目の東京開催となる’20年五輪を控えた今、足元を支えるインフラは次々に老朽化の危機を迎えている。現地で目にしたその惨状は想像を絶するものだった……
◆老朽化で通行止め、通行規制だらけに<歩道橋・橋梁>
歩道橋や橋梁については、なんと昨年、道路老朽化に関する国交省の有識者会議で「最後の警告 今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切れ」と、まるで最後の審判を予感させるような悲壮な言い回し提言が出たほど深刻だ。
同提言では「橋梁では、通行止めや車両重量等の通行規制が約2000箇所に及び(中略)この5年間で2倍と増加し続けている。地方自治体の技術者の削減とあいまって点検すらままならないところも増えている」とまで書かれた。
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有識者たちがこれほどまでに危機感を露わにする橋梁の老朽化。では、五輪を目前に控えた首都圏の現状はどうなっているのか。
関東地方整備局が管理する道路橋2780箇所のうち、全体の3割強にあたる約940箇所が、高度経済成長期といわれる’55年から’73年にかけて建設されている。建築後40年を超えているというわけだ。鉄筋コンクリート製の橋梁において、この40年という数字が持つ意味は大きい。
◆すでにアメリカで大規模な崩落事故
’07年に米国・ミネアポリスで9人の犠牲者を出した高速道路事故は、ミシシッピ川橋のショッキングな崩落シーンが有名だ。この橋の建設は、事故のちょうど40年前にあたる’67年。しかも補強工事の最中での惨事だったのだから救いがない。単純に考えれば、関東の橋の3本に1本が「今すぐ」崩落してもおかしくない状況なのだ。
道路法では、5年に一度、打音検査による点検を義務化しているが、専門的知識が不可欠な橋の劣化の診断についても、地方自治体は深刻な技術者不足に瀕している。土木職員を増員しているのは五輪を控えた東京都くらいのもので、例えば神奈川県では’05年から’14年にかけて、およそ14%が削減されている。
こうした状況は、歩道橋に関しても同様で、約半数以上が築40年を超えているとの調査結果が出ている。弱者を守るはずの歩道橋が人命を脅かすとなれば、本末転倒も甚だしいところだ。
現状を体感すべく編集部が下町を探り歩いてみると、修繕が完了されている道路橋も多く見られるものの、コンクリートに亀裂が走っているものやサビが浮いている箇所が散見された。歩道橋に至っては、階段下に崩落したコンクリ片が散乱しているものまで見受けられる惨状であった。
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