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もう美術館デートは怖くない! 一夜漬けで“美術通”になれる映画5選

 数あるドキュメンタリー映画の中で、画家の人生を主題としたものは少なくない。 もう美術館デートは怖くない! 一夜漬けで“美術通”になれる映画5選 2015年6月には、印象派の女性画家ベルト・モリゾの人生を描いた『画家モリゾ、マネの描いた美女』や、ロマン主義の画家ウィリアム・ターナーを主題とした『ターナー、光に愛を求めて』が公開された。11月には日本人画家・藤田嗣治の半生を描いた『FOUJITA』が公開される。  美術は詳しいと楽しめるが、詳しくないとまったく興味をもてない退屈な趣味とも言われる。  しかし、趣味をアートとする女性は少なくないし、これだけ美術展が開かれているにもかかわらず、前提の知識を持っていないのは勿体ないと言えるだろう。かといって関連書籍を漁るのもまた面倒な話。手っ取り早く知識を仕入れるには映画が一番だ。  本記事では、数ある映画の中から一夜漬けで美術や芸術家に詳しくなれる映画を5本紹介する。これで美術の話題を振られても、一通り返せるようになるだろう。 ◆中世:キリスト教美術『アンドレイ・ルブリョフ』  中世ヨーロッパではキリスト教美術が発展し、キリストやマリアを描いたイコンと呼ばれる絵画が多く作られた。  映画『アンドレイ・ルブリョフ』はイコン画家ルブリョフの苦悩を描いた作品で、監督は『惑星ソラリス』などを撮った巨匠タルコフスキーである。映画のエピローグでは、彼の代表作品「至聖三者」をはじめとした多くのイコンをカラーで観ることができる。 ◆近世:ルネサンス『ダ・ヴィンチ・コード』 一夜漬けで“美術通”になれる映画『ダ・ヴィンチ・コード』 15世紀末から16世紀初頭のイタリアはルネサンス全盛期で、写実的な肉体美を追求し、ミケランジェロやラファエロなどが活躍した。  その中でも、天才として崇められたレオナルド・ダ・ヴィンチの作品の謎に迫った『ダ・ヴィンチ・コード』は観ておいて損はない。「最期の晩餐」の構図についての解釈から派手なアクションシーンまで、教養としても娯楽としても楽しめる。 ◆近世:バロック美術『真珠の耳飾りの少女』  17世紀はバロック美術が興隆し、ルネサンス的な写実性を受け継ぎつつも、題材は宗教画から風俗画へと移っていった。  映画『真珠の耳飾りの少女』は、オランダ美術を代表するフェルメールを描いた作品である。彼の代表作である「真珠の耳飾りの少女」のモデルが下働きの少女であったという仮定のもと、物語は進む。妻帯者のフェルメールと少女が部屋の中で二人きりで過ごす場面は、絵画同様のエロティックさを感じさせる。 ◆近代:印象主義『ルノワール 陽だまりの裸婦』  19世紀、印象主義の画家たちは戸外で絵画を制作し、明るく生き生きとした作品を描いた。『ルノワール 陽だまりの裸婦』は「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」などで有名なルノワールの晩年を描いた作品である。彼のモデルとなったデデの肉体は美しく、画家が裸体を描きたくなる理由が分かるだろう。 ◆現代:ウィーン分離派『クリムト』  19世紀末から20世紀にかけて、官能的・退廃的な作品を描くウィーン分離派が出てきた。その代表的存在であるグスタフ・クリムトを描いた映画として、人気俳優ジョン・マルコビッチ主演の『クリムト』がある。美しい映像と観客までも騙されてしまうミステリアスな演出が、クリムトの絵画の雰囲気と共鳴している作品である。  美術史を一から学ぶのは労力が要るが、映画であれば観ているだけで雰囲気や概要をつかめる。美術に興味はあるが時間がない……という方には、ぜひ一度、これらの作品を観てみてほしい。 <取材・文/高田のばら>
アンドレイ・ルブリョフ

15世紀最大のロシアの画家ルブリョフの伝記的映画

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