“中国化”している新宿のドラッグストア事情
株価下落が続き、「バブル崩壊」「八方塞がり」ともいわれる中国経済。しかし、そんな経済状況なぞどこ吹く風とも言わんばかりに、今日も東京の繁華街には買い物目的で日本を訪れた中国人観光客があふれている。
◆中国人観光客たちの最大の目的地は…
中国人観光客が最も買い物目的で訪れる街のひとつ、新宿。テレビなどメディアで流される情報のイメージからは、彼らが“爆買い”する代表的な場所は家電量販店と思われがちだが、それはほんの一部の富裕層の話。
新宿における最も“アツい”爆買いスポットは、ドラッグストアである。
中国のネットユーザーたちが使うSNSを覗くと、「日本に行ったら買うべきもの」として紹介されているのは、化粧品・医薬品・健康食品・ヘアケア製品など、8割以上がドラッグストアで買えるもの。各人気ストアの店内には、スマホの画面を熱心に見ながら目的の商品を探す中国人観光客が殺到している。
そしてその結果、いくつかのドラッグストアでは、店内の“中国化”が顕著に見られるようになった。
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◆「中国化」する店内
店頭や店内は、中国語を話すスタッフがいることを知らせる看板、免税の案内、免税レジへの誘導、商品POPなど、中国語で書かれたものであふれており、店の外には拡声器を使って中国語で案内するスタッフまで見られるほどだ。
中国人旅行客の乗る観光バスが多くとまる歌舞伎町・靖国通り付近のドラッグストアはもちろん、その光景は新宿西口の繁華街のストアにまで広がっており、多くの店で「中国語話せます」を意味する腕章をつけたスタッフがあちこちに忙しく動く姿が見られた。
◆旅行の日程2日間はすべて買い物
有名ドラッグストアで大量に買い物したという女性の観光客グループに少し話を聞いたところ、彼女たちは2日連続で歌舞伎町のドラッグストアに“爆買い”しにきたという。
1日目で買い切れなかったものや見逃していたものを2日目に買ったとのことだが、それでこの量。店内が“中国化”せざるを得ないのも納得といったところだ。
◆観光地としては当然のこと?
中国化の兆しを見せるのは、ドラッグストアだけではない。歌舞伎町のあらゆるお店を見回すと、コンビニの店内に張られるポスターなどからもその“萌芽”を感じることができる。また、近頃オープンした居酒屋の店内に掲げられたメニューを見ると、日本語より中国語でのメニュー表記が目立っているといった事例も見られた。
ハワイのワイキキに行ったことのある人ならば、免税店などでは英語よりも日本語の案内が優先されている光景を見たことがあるだろう。日本人観光客は、それを見てありがたみを感じるもの。
海外からの観光客が増加する東京。歌舞伎町などではじまっている“中国化”は、観光地としては当然なすべきことなのかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
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