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40代の体の劣化を食い止める「10のメンテナンス法」

 40歳にもなると、外見だけではなく体の機能などあらゆるスペックが低下し始める。かといって多忙な彼らが健康維持に割ける時間は少ない。そこで医学博士の平松類氏にメンテナンス法を聞いた。 「筋肉量や体の機能は劣化するので、努力の割に結果が伴わないのは当たり前。それなのに20代・30代の感覚のまま健康改善に取り組み、頑張りすぎて挫折を繰り返す人が多い。むしろお腹の脂肪が取れる『ドローイン(息を吐いてお腹を凹ました状態を保つ)を入浴前に15秒』や、姿勢が良くなる『大腰筋を鍛えるポーズ(写真参照)を10回繰り返す』など、簡単に効果が出て、しかも続けられる環境を心掛けるべきです」
姿勢が良くなる、大腰筋を鍛えるポーズ

片足を一歩踏み出し、そのまま腰を落としたら、また元の姿勢に戻る。体幹が鍛えられる

 運動で体形劣化を食い止めても、食習慣が悪ければ元の木阿弥だ。 「食べる量を減らせないなら、食べ方を変えればいいだけ。朝食か昼食に、コンビニのおにぎりを温めずに食べてください。炭水化物は冷えた状態になると吸収効率が落ちるので、お腹を空きにくくします。もしくは食前にコップ2杯の水を飲むだけで空腹感を抑えられ、食べる量を約13%減らせます」
冷えたおにぎりはお腹を空きにくくする

冷えたご飯は、腸にも優しく、次の食事量も抑えられるセカンドミール効果も期待できる

 一日の疲れを取るはずの入浴や睡眠が逆に体を蝕むこともある。 「寝る前に携帯やパソコンをいじるのをやめるべきです。というのも、暗い部屋の中で、スマホやパソコンのバックライトに含まれているブルーライトを浴び続けると、体が朝だと勘違いし、体内時計のリズムが狂ってしまうからです。結果、睡眠が浅くなり、翌日に倦怠感や疲れを残してしまいます」  いびきをかく人は、横向きに寝るだけで、睡眠時無呼吸症候群から身を守ることができる。
医学博士 平松 類氏

平松 類氏

「ほかにもお風呂をぬるめにするだけで副交感神経を活発にし、肩こりや腰痛を緩和できます。またパソコン作業が続き、近距離で長時間文字を眺めていると目の網様体筋が緊張し、頭痛・めまいを引き起こしてしまう。でも100円ショップの老眼鏡を1分間かけるだけで、ピントがずれて網様体筋の緊張をリラックスさせることができます」  40男になれば女性とセックスする機会も激減する。だが、数少ないチャンスに備えてケアしたい。 「EDは血流の悪さが原因です。ボクサーパンツをはいたり脚を長時間組んだりするなど、陰のうや血管を圧迫する行為はNGですよ」 <劣化を食い止めるために即やるべきことリスト> (1)入浴前にドローインする (2)大腰筋を鍛える (3)朝食か昼食に冷たいおにぎりを食べる (4)100円ショップの老眼鏡をかける (5)食事前にコップ2杯の水を飲む (6)37~38℃のぬるめのお風呂に入る (7)睡眠前にスマホをいじらない (8)横向きに寝る (9)脚を長時間、組まない (10)トランクスをはく 【平松 類氏】 医学博士。彩の国東大宮メディカルセンター眼科長。医学界の池上彰と呼ばれるほど平易な解説に定評あり。近著に『ズルい健康法』(自由国民社) ― 40男が[即やるべき]行動 ―
本当は医者として教えたくないズルい健康法

抜け道みたいなズルい方法や、もっとゆるく考えてもいいことがあるんです。

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