なぜ、フィットネスクラブの退会率は高いのか?――意外だった退会理由

無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理


 世界的にサービス産業のウェイトが高まる中で、「日本のサービス生産性が低い」と言われています。生産性向上には、単に量的側面だけではなく質的側面も伴うことが必要です。

 そのための条件は何か、という視点でサービス生産性向上の事例研究として、フィットネスクラブチェーンでの会員満足度と「無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理」の作用を調べたことがあります。

 「無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理」とは、社会心理学の研究により抽出された10の原則のことで、我々はこれを「心理ボタン」と名付けています(図1)。

図1 無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理(心理ボタン)


 例えば、私たちは、ウソと知りつつも、お世辞を言う人を好む傾向があります(「お世辞」の心理ボタン)。また、経歴や出身地、趣味などが自分と似ている人を好む傾向もあります(「類似性」の心理ボタン)。

 他にも、「最後の一つです」と言われつい買ってしまう(希少性)、母校が負けたときは黙っているが、勝つと「私の母校が勝った」とあたかも自分のことのように自慢してしまう(連合性)など、心理ボタンが押されて自動的に反応してしまう例は日常でも数多くあります。

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