【連載 たかくら引越センター】僕は芸人、ときどき社長(第3回:業者が自ら教える引っ越し業者の選び方)

 全国の引っ越しファンの皆様、こんにちは。この記事を夜に見ている方、こんばんは。たかくら引越センターの高倉です。
たかくら引越センターダンボール

僕が30秒ぐらいで描いたイラストが会社のキャラに(笑)。名前は絶賛募集中です!

 引っ越しコラムも3回目。今回はいよいよ、皆さんがいちばん期待していらっしゃるであろう、得する引っ越し情報を書いていきたいと思います。  テーマはズバリ、引っ越し業者を選ぶポイント!!  引っ越し業者を営む立場の僕が、自分で業者を選ぶポイントを書くのもおかしな話ですが、読者の皆様には、より良い引っ越しをしてもらいたいですので……。  もちろん、心の中では、ぜひとも弊社たかくら引越センターを選んで頂きたい、と思ってはおりますが(笑)。

一括見積サイトは危険!

 全国に引っ越し事業を行っている会社は3000以上、都内だけでも200社ほどあるといわれております。  その中からひとつを選ぶのは、なかなか困難な作業ですよね。と、ついそこで皆さんがクリックしてしまうのが、一括見積サイト。  ですが、これは絶対におすすめしません。なぜなら、個人情報を自らばらまくようなものだからです。  一括見積サイトの登録データほど、個人情報に溢れたものはありません。氏名、性別、電話番号、住所、部屋の間取り、居住人数などなど……。極めてプライベートな情報が、山ほど詰まっているのです。  しかもいちばん怖いのが、皆さん、このデータを引っ越し業者だけが見ていると思っていませんか?  そんなことはありません。掃除業者、不動産屋、保険業者、インターネット業者。ありとあらゆる業者が見積サイトの運営者に1件300~500円という金額を払い、皆さんの情報を買っているのです。  つまり、20社がこの情報を買ったとすれば、うまくいけば万単位で一括見積業者が儲かる仕組みに。引っ越しをしたい人が、まったく関係のない業者に、無償で個人情報を提供し、儲けさせているのです。  なんともおそろしい……。こんな馬鹿な話はありません。日本引っ越し協会代表(自称)として、僕はすごく怒っています。  もちろん、たかくら引越センターは一括見積サイトを利用しておりません!!  これ以上言うと各方面の偉い人達からお叱りを受けそうなので、このあたりで止めておきますが、安易に一括見積サイトを使う昨今の風潮は、結果的に引っ越し界をダメな方向へ導いてしまっていると僕は思います。  とはいえ、最後に一応少しだけフォローしておきますと、個人情報は漏れるものの、安い業者を見つけることができるのは確かです……。

いちばんの近道は口コミ

 一括見積サイトはおすすめできない。とすれば、引っ越し業者を選ぶときには何に頼ればいいのでしょうか?  それはズバリ、口コミです。  行列のできるラーメン屋も、優秀な家庭教師も、面白い芸人も。全てにおいて、口コミはもっとも信用できる情報源なのです。  もちろん、引っ越し屋も然り。口コミこそ全て。口コミis ベスト。口コミは全ての道に通ず。  ……とにかく、口コミこそが最も良い業者を見つける近道だと、僕は思います。  もし、最近引っ越しをしたお知り合いがいれば、どこの業者を使ったのか聞いてみてください。さらに言えば、感じの良かった作業員の名前や名刺まであれば、なお良いです。  その業者に電話して、知人の紹介でぜひ自分もお願いしたいという旨を伝えれば、きっと良心的な価格で、しかもその良かった作業員にお願いすることができます。  業者心理から言っても、知人が使って良かったと言われると、うれしい気持ちになるものです。  悩む前に、まずは最近引っ越したお知り合いを探してみてはいかがでしょうか? 口コミこそ全て。口コミis ベスト。口コミは全ての道に通ず。(このフレーズ、気に入っています(笑))

大・中・小3つの業者から見積もりを取るのがおすすめ

 いやいや、そんな身近に、最近引っ越した知り合いなんていないから! ……と、心の中でツッコまれた方、ご安心ください。  それでも良い引っ越し業者が見つかる方法を、次に紹介したいと思います。  まず、引っ越し業者は、大きく3つに分類することができます。  テレビでCMなどを頻繁に流している大手引っ越し業者。CMこそ出していないけれど、名前は何となく見たことあるぞ、という中堅引っ越し業者。最後は、その地域にしかない小さな引っ越し業者です。  大手の特徴としましては、作業レベルは一定以上ですが、料金設定が高め。中堅は、作業レベルに多少の当たり外れはあるものの、大手よりは安い料金設定です。  そして、地域にしかない小さな業者の特徴は、作業レベルの当たり外れが大きくあるものの、大手よりは安い料金設定、しかも細かい融通を聞いてくれやすいです。  細かい融通とは、たとえば新居でテレビや洗濯機の取り付けをしてくれたり(大手だと有料になってしまうことが多い)、細かい時間設定に応じてくれたり、マニアックなところでいけば、引っ越し後の段ボールを2回に分けて回収してくれたりします(大手は基本的に有料または1回のみ)。  ちなみに、弊社たかくら引越センターは、3つ目の小さな業者に分類されます。  この3つに分けた業者のそれぞれから1社ずつ選び、計3社から相見積もりを取るというのが、いちばん良い方法です。  競合がいると分かれば、大手は負けじと料金を落としてきますし、小さな業者はさらにいろいろな融通を聞いてくれるようになります。  単純なようですが、実際のところ、これが最も良い引っ越し業者を探すことができる方法です。  一括見積サイトに登録したため、何十社から電話がかかってきて、その対応に時間を割いたりストレスを感じるよりは、この3つに絞って相見積もりを取った方が、結果的に断然安上がりで納得のいく引っ越しができるのです。

引っ越しを左右するのは業者ではなく「人」

 大・中・小の業者から各1社を選ぶ方法としては、普段、近所で行われている引っ越し風景に注目してみるのがおすすめです。  トラックの綺麗さ、作業員の感じなどをチェックしてみてください。作業風景には、その業者の社風や、善し悪しが出ています。トラックや身なりがボロボロの会社は、荷物も雑に扱いますし、接客のマナーもきちんと教育されていません。  僕は職業柄、引っ越し業者を見ると、どうしても作業員を細かくチェックしてしまいます(笑)。ボロボロの格好で作業している人がいれば、その他の作業員達も大抵ボロボロの格好をしています。また、日雇いの作業員を見かければすぐにそれと分かります。日雇いの方は、作業に慣れておらず手つきも危なっかしいですし、そのうえ危険箇所も分かっていないので、物を壊してしまう確率がグンと上がってしまうのです。  もちろん、なかには完璧に教育が行き届いた引っ越し作業員もいます。丁寧な言葉使い、細かな気配り、作業着をしっかりと着こなしている、体臭に気を遣ってデオドラントスプレーを使っているとか……(笑)。  引っ越しは、結局のところ「人」なのです。なので、作業を見て好印象を持った引っ越し業者を、ぜひ使ってみてください。  ここからは僕の経験に基づいた独断と偏見ですが、汚れたり、かかとが踏みつぶされることなく、作業靴をきれいに履いているのは、ある程度良い作業員だと信頼して大丈夫です。逆に、携帯を首から下げている(絶対に作業に支障が出るうえに、家財や家屋に傷をつける恐れがある)、ウエストポーチをしている(同じ理由)、頭にタオルを巻いている(ただの格好つけたがり。こういう作業員は部下に対してきつくあたりがち)、この3つのいずれかをやっている作業員がいれば注意が必要です。  あくまでも、独断と偏見ですが……(笑)。

夢は引っ越しアイドルグループ結成!?

 先程、引っ越しは「人」と言いましたが、引っ越しは業者そのものではなく、作業員によって大きく左右されます。  大手だから安心ということは無く、中堅業者や小さな引っ越し業者にもすばらしい作業員はたくさんいます。作業スピードが恐ろしく早い人、接客が良く指名で仕事を取ってくる人、ピアノ以外何でも1人で持てる人……。  大手で経験を積んだ上級作業員は、大手の劣悪な勤務状況に耐えられなくなったり、引き抜かれて中堅や小さな業者に流れていくこともしばしば見受けられます。  よく、大手引っ越し業者のアルバイト求人を見かけますが、裏返せばその分、アルバイトの作業員が多いということです。  結局は、良い業者を探すよりも、良い作業員を探すことが、より良い引っ越しをするための近道なのです。  引っ越し界には、こういう名言があります……。口コミこそ全て。口コミis ベスト。口コミは全ての道に通ず。(本日3回目。かなり気に入っています(笑))  普段、個々の引っ越し作業員を気にしてみることはあまり無いかもしれませんが、本当に、真面目で誠実な人間が多いです。  日本引っ越し協会代表(自称)といたしましては、ぜひその埋もれた作業員達を探し出して頂きたいものです。  そして僕も、まだ見ぬ引っ越し界のヒーローを集めて、引っ越しアイドルグループを作っていきたいと密かに思っているのです。  さぁ、集え! 引っ越しの猛者達よっ!! たかくら引越センター【たかくら引越センター】 本名:高倉弘樹(たかくら・こうき)。1982年4月27日、福岡県朝倉郡東峰村出身。東京NSC11期生。2005年に「たかくら伝説」としてデビュー。10年、芸名をたかくら引越センターに改名。12年、軽貨物運送事業として「たかくら引越センター」を開業する。15年には法人化し、一般貨物自動車運送事業の許可取得。芸人と引っ越し会社社長の2足のわらじを履いて活躍中。
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