中華思想なんてない。日本の視点で捉える中国史!⑨

ICPO

ICPO加盟国の分布

ICPOの中国人総裁


 国際刑事警察機構(ICPO)の中国人総裁である孟宏偉氏の所在が9月25日以降分らなくなっていた。しかし、10月8日になって孟総裁が中国政府の「取り調べ」を受けていることが判明した。

 取り調べを行っているのは、汚職摘発機関である国家監察委員会という組織だ。ICPO(インターポール)へは本人からの辞意が伝えられたということで、韓国人のキム氏が総裁代理となった。

 ファン・ビンビンの行方不明問題が世界的な関心事になったにもかかわらず、それほど間をおかずに孟氏行方不明の報道に接すると、さすがに中国に対して不気味さが増してくる。

 そもそも、インターポールの総裁に中国人が就任したというニュースの記憶がないのは、それほどに大きく報道されなかったのか。

 普通に考えて中国人がインターポールのトップになるというのは、自由主義社会の人間からするとどうかと思うが、それほど国際機関における中国の力が大きくなっている証しだろう。

 孟氏の取り調べも汚職容疑らしいが、識者の多くが中国の権力闘争の一環であるとの分析を伝えている。

 経済格差の広がりが大きくなる中国。伝統的に汚職体質をもつ中国人は、政府高官も含め、利権に絡む人間が不正に手を染めては蓄財に励み、増やしたお金は海外へ送金すると言われていた。

 また、ビットコインのような仮想通貨は、取得者の追跡が難しいことから、庶民を始めとする多くの中国人によって売買されているらしい。

 それくらい「金」に執着するのは政府を信頼していないからで、政府よりも家族や親せきを信じるのが中国人の特徴だ。中国はこのような縁故の絆が強固で、まさにクローニー資本主義ということだろう。

「忖度」と「報道しない自由」


 アメリカに対しては執拗に論評を加える日本のマスコミだが、孟氏行方不明における中国政府の対応に関しては、事実を伝えるだけで、ほとんど論評はしない報道機関もある。

 日本では、朝日新聞は人民日報との提携関係にあり、NHKの中には中国中央電子台(中国国営テレビ)が支局を置いているのだ。ちなみに、韓国のテレビ局の支局はNHKを始め、民放各局内に支局を置いているが、中国の場合はやはり特別だろう。

 中国政府に対する過度の忖度からかは不明だが、背景などの報道をしないため、我々が表面的な報道だけに接しても、問題の本質を知ることはできない。

 日本のマスコミのなかには、事実さえもきちんと伝えないことがある。特に中国に関することになれば、多角的に情報を収集しないと真実には迫れない。今回の孟氏の報道がそのことを物語っている。

参考:『中国と日本がわかる最強の中国史』八幡和郎著





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