『大きな努力で小さな成果を』について(7)

鍵山先生の書(不合理なこと)

鍵山秀三郎先生の書

鍵山秀三郎語録 その2

 イエローハット創業者で、「日本を美しくする会」相談役の鍵山秀三郎先生の著作『大きな努力で小さな成果を』(育鵬社)は、その骨太な内容が多くの読者の心をつかんでいる。    今回は、『大きな努力で小さな成果を』について(6)に続き、本書の中から、編集担当として心に残った言葉を選び、紹介したい。「鍵山秀三郎語録 その2」である。    自分が孤独であるということは、わがままでもあるわけです。人様にお世話になっていることに気がつかない。お世話になっていることそのものに恩を感じない。そういうときに孤独になるのです。いつも人様にお世話になっている、誰かれなくお世話になっているということに対する「ありがたい」という思いを持ちさえすれば、人間は孤独になることはないと思います。(第三章 人生について 「価値ある人生を送るために必要なこと」より)  一日一日、今日と明日とはたいした差がなくても、やがてそれは一年、二年、三年という積み重ねになったとき、大変大きな差になるのです。この積み重ねそのものが人生です。(第三章 人生について 「価値ある人生を送るために必要なこと」より)  心を閉ざした方と商売や仕事をしようとしても、絶対にできません。お互いの心を開き合ったときに初めていい仕事ができるのです。(第三章 人生について 「価値ある人生を送るために必要なこと」より)  「終生道を譲るも、百歩を枉(ま)げず」という中国の教えがあります。  一生の間、人に道を譲り続けてもその合計は百歩を超えないということです。つまりたいしたことはない。それをこのときとばかり、人と出会ったら譲らないで、自分が先に先に行ったとしても、それはたいしたことはない。むしろ信用を失うだけということになるのです。(第三章 人生について 「価値ある人生を送るために必要なこと」より)  世の中には無駄遣いがたくさんあります。時間やお金、物の無駄遣いなどいろいろありますが、「心の無駄遣い」が一番人間にとってよくありません。よからぬことを考えたり、安易なことを考えたりするだけでも「心の無駄遣い」なのです。思っても甲斐のないことを思ったりするのも「心の無駄遣い」です。思うのであれば、甲斐のあることを思い続ける。そしてどんな小さなことであっても、それをやり通すということが一番力になると思います。(第三章 人生について 「価値ある人生を送るために必要なこと」より)  「心の敷居」を高くし、困難を乗り越えていくには人間力を高めることが大切です。私の好きな言葉の一つに、「事上練磨(じじょうれんま)」があります。仕事や人生を通じてたくさんの経験を積み、自分を練り、磨き上げていくことを意味します。そのうえで私が具体的な指針としているのは、「自分にとって得にならないことをいかにやるか」ということです。得になることしかやらなかったら、鍛えることにはなりません。人には「器量」というものがあります。自分にとって都合のいいことや楽なこと、益のあることしかやらなければ、器量が小さい人間になっていくでしょう。(第三章 人生について 「人間力を高める生き方」より)  いずれの言葉も座右において、自らの心と行動を、ととのえていきたいものである。   (文:育鵬社編集部O)
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