「ポスト安倍」の時代
「時代」を見抜く力
8月28日、安倍首相が辞任の意向を表明した。これによって、「ポスト安倍」が現実のものとなった。好むと好まざると、私たちは「ポスト安倍」の時代を迎えることになる。 辞任を表明する直前、安倍首相は、通算在職日数に加え、連続在職日数においても歴代最長記録を塗り替えた。存在感のない野党との対比、そして安倍首相に代わる後継者はいない、というその強さは、「安倍一強」と呼ばれていた。 「ポスト安倍」はいま、誰が次の首相を務めるかという話題で持ち切りだが、いずれも安倍首相と比べると見劣りがしてしまう。特に、外交の舞台で存在感を発揮してきた安倍首相の代役を、果たして後継の首相が立派に務めることができるのか。甚だ心許ない。 その間、その強さゆえに、野党や野党を支持する層からは、憎まれていたように思う。「モリカケ問題」や「桜を見る会」の問題では、だいぶ熱心な追及を受けていたが、外交や安全保障などの大きな問題と比べると、重箱の隅の観はぬぐえず、かえって野党の「小者ぶり」が際立った。 いずれにせよ、「時代」は変わる。 しかし、私たちは浮かれてはならない。 時間が経過した後、「あれは間違いだった」と知ることのなんと多いことか。 鳩山首相の誕生を7割の国民が支持した過去がある。 私たちは、歴史を教訓として、過ちを避けることができるはずなのだが、「人間の性(さが)は変わらない」ということを、ここでまた再確認しないと、目先の新しさや「変革」「改革」というような言葉に惑わされ、同じ過ちを犯してしまうことになる。 歴史が繰り返すことはない。 しかし歴史のパターンは絶えず繰り返される。 そうした、歴史の教訓を、いまこそ私たちは学ばなければならない。 9月2日発売の渡部昇一著『「時代」を見抜く力』(育鵬社)は、谷沢永一氏が「飛びきりの名著」「渡部氏の最高傑作」と評した『腐敗の時代』と『分科の時代』『正義の時代』の代表的三部作から、現代を生きる私たちの教訓となる〝今まさに必読〟の12編を収録している。 「ポスト安倍」の時代は、世界的な激動の時代である。 日本国内の目線で生きていたら、日本は生き残れない。 日本が誤った選択をしないためにも、賢明な読者諸氏に一読をおすすめしたい。 (文:育鵬社編集部O)ハッシュタグ
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