モー娘。OG 高橋愛が語るリーダー論【その3】
―[元モー娘。高橋愛が語るリーダー論]―
仕事をする際には、「リーダー」が必要である。「リーダー」はメンバー全員をまとめ、組織を成功に導くべく動き、心を砕くも時に代表の責任として怒られることがあり、またメンバーから妬まれることもあるわけだが、では、どんなリーダーが理想的なのか。
20歳にしてモーニング娘。の「リーダー」になり、現在はミュージカル「ウェディング・シンガー」のヒロイン役として、そして夏にはエステー主催のミュージカル「赤毛のアン」の主役・座長として俳優陣をリードする立場にある女優・ミュージシャンの高橋愛さん(26)にリーダー論を聞いた。【その3】
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◆明石家さんまが理想のリーダー
――理想のリーダーって誰になりますか?
高橋:さんまさんです! 一緒にラジオをやらせていただいて、つくづく思ったのがさんまさんは怒らないってことです。人に怒らないんですよ! 何か問題が発生しても「かまへん、かまへん」ってやっていて、そうすると「さんまさんにそんなこと思わせてはいけない!」と勝手に周りが動いて解決するんです。現場ではさんまさんがリーダー的な役割だったのですが、ああだこうだいうのではなく、周囲が勝手に「次はさんまさんに『かまへん、かまへん』なんて言わせないようにしよう」ってなるんです。
こうしたリーダー気質があるからこそ、お茶の間にも周囲からも愛されるんじゃないかな。凄い人と一緒に仕事やってるんだな! とつくづく思いました。一緒にいればいるほど好きになる。だから皆が師匠、師匠、とついてくるんですよね。私もいつかさんまさんみたいな人になりたいと思います。
――今年の「赤毛のアン」はリーダーになるわけですが、何か昨年との違いはありますか?
高橋:気持ちは去年とは違いますよ。役柄的には昨年はダイアナというお嬢様的な役だったのですが、アンは自分の感情をぶつける素直な女の子。そういった意味でまったく心境は異なります。それと、リーダーかどうかって話ですが、別に私は皆を引っ張っていくという感じではありません。それよりも、皆で楽しくやりましょう! みたいな感じでやっていければな、と思っています。
今回も、モーニング娘。の時と同様に、皆とコミュニケーションは切に取ろうと思います。モーニングの時は生活も一緒でしたが、赤毛のアンは一つの「作品」。作品を創る、という方向で一つの方向に向きたいです。
モーニング娘。は家族よりも一緒だったんですよね~、そして仲間でありライバルという関係でした。そして、そんな関係だからこそ、ちょっと表情違うだけで、「体調悪いのかな」とか心配りをする必要がありました。
モーニング娘。の時は「グループ」のリーダーであり、今回は「プロジェクト」のリーダーです。そこは全然違うじゃん、と思われるかもしれませんが、「皆で一緒のものを創る」という意味では、同じです。モーニング娘。のリーダーだった時と同様に、リーダーだからエラソーにするとかじゃなく、今回も座長だからとエラソーにするのではなく、皆で一緒に創り上げたい、と考えています。
――先ほど経営者はイヤだといいましたが、舞台の総合プロデューサーとかはやりたいですか?
高橋:え~、私、演出とかは一生できないと思います!
――でも、立場が勝手にそうさせることってありますよ。
高橋:え~、わかんない! でも、興味ありますが……。
――モーニング娘。のメンバーが辞める時ってどんなこと考えていたんですか?
高橋:辞めたいと言う人を止める理由はないじゃないですか?
――重要なポジションの人であっても?
高橋:確かに辞められるのはキツいですけど、その子なりのなぜそうなったのか、という悩みがあるじゃないですか。「卒業」しなくてはその問題を解決できないのであれば、しょうがないじゃないですか。辞める理由は体調だったりするワケですね。亀井絵里さんとかはそうでしたよね。彼女が辞めたのは痛かったですが、彼女の将来を考えるとしょうがないです。光井愛佳ちゃんとかもそうです。足が治らなくて卒業しましたが、しょうがないですよね。そういった事情も聞きつつ、本人の意思を尊重しなくてはなりません。
でも、後輩が先に卒業するのはすごくイヤでしたよね……。先に行っちゃうのが寂しかったです。後輩には「卒業おめでとう」と言ってほしかった。まさか、後輩だった子が先に旅立つというのは……。見送って欲しかったのに、と思うことはあります。
でも、その子の人生だし、それは止めようがない。じゃあ、彼女がいなくなった後のモーニング娘。の本体をどうするか、ということを考えた場合は、その条件で次に進むしかないんです。
元々モーニング娘。というグループは、卒業・加入を繰り返すグループなので、常にメンバーの卒業はつきまとうものです。そうした条件も前提にしながら自分はリーダーをやっていたんだなぁ、としみじみ今となっては思いますね。
――高橋さん、いろいろなお話お聞かせいただき、ありがとうございました。
高橋愛さんが現在出演しているミュージカル「ウェディング・シンガー」は、福岡・博多座:3月23日(土)~24日(日)/岩手・岩手県民会館大ホール(貸切公演): 3月27日(水)~28日(木)/東京・日本青年館:3月31日(日)にて上演。
また、高橋愛さんが主役のアン役として出演する、エステー株式会社主催のTOURSミュージカル「赤毛のアン」は、高橋さんと共演するキャストのオーディションを3月22日(金)の名古屋を皮切りに全国7都市で実施。
同公演は8月11日(日)から全国8都市で行われ、全公演、全席無料で観客を招待する。4月上旬から6月末まで、公式サイトのほか全国のドラッグストア等に設置する応募ハガキより応募できるチケットプレゼントキャンペーンを行う予定。
●TOURSミュージカル「赤毛のアン」公式サイト
http://www.st-musical.com
<取材・文/中川淳一郎>
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