更新日:2014年01月06日 16:16
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「トゲアリトゲナシトゲトゲ」ってトゲがあるの、ないの?

世の中あらゆるものに名前がある。でも、なかには「それって誤表示じゃない?」と思われるほど実態に合わなかったり、一見矛盾してるような名称で呼ばれているものも少なくない。そんな“名は体を表さない”物件を、さまざまなジャンルからピックアップ。何がどうしてそうなったのか、その真相を徹底調査! ◆[動物名]部門  生き物の名称を調べていたところ、トゲアリトゲナシトゲトゲという昆虫を発見。冗談みたいな名前だけど、どんな虫なの? 「この虫はトゲハムシと呼ばれる体表にトゲの生えた甲虫の一種」と、生物研究家の富田京一さん。 「トゲハムシはかつてトゲトゲと呼称され、図鑑などでもその名前で記載されていました。そして、トゲトゲのなかでもトゲを持たない種類が見つかり、トゲナシトゲトゲと呼ばれるようになりました」  さらに研究や分類が進むと、トゲナシトゲトゲの仲間なのにトゲのあるものが発見された。これがトゲアリトゲナシトゲトゲだ。
ハリネズミ

ペットとして飼える種類もいるハリネズミ。ネズミと言いつつ、実はモグラに近い動物だ

「同様の例では、スベスベケブカガニというのも。ケブカガニは全身に毛が生えた、浅瀬に棲む小型のカニです。その仲間で毛のないものが見つかり、スベスベケブカガニと名前がつけられました」  そういえば、ハリネズミはネズミじゃない、という話を耳にしたことがあるんだけど、ホント!? 「そのとおり。ザックリ言うと、モグラの仲間です。1709年に刊行された『大和本草』という百科辞典で、すでにハリネズミという名前が出てきます。もともとは中国での呼称を日本語に直訳する形でつけられたようです」  ちなみに、ネズミの仲間でハリが生えているのがヤマアラシ、カモノハシの仲間でハリが生えているのがハリモグラだそうな。実に紛らわしいけど「分類学が進歩する前に名づけられていることも多いので、仕方がない面もある。もともと日本には生息せず、海外の文献を頼りに和名を捻り出しているケースも少なくない」とか。まあ、急に“ハリカモノハシ”なんて改名されても違和感あるしね。 ― ジャンル別[気になる名称]大調査【7】 ―
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