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ホットドッグはなにが「ドッグ」なのか?

世の中あらゆるものに名前がある。でも、なかには「それって誤表示じゃない?」と思われるほど実態に合わなかったり、一見矛盾してるような名称で呼ばれているものも少なくない。そんな“名は体を表さない”物件を、さまざまなジャンルからピックアップ。何がどうしてそうなったのか、その真相を徹底調査! ◆[モノの名前]部門
ホットドック

フランクフルトソーセージを「ダックスフントソーセージ」と呼んだから、という説も

 軽食メニューでおなじみのホットドッグ。でも、犬と関係なさそうなのに、どうして“ドッグ”? 「ホットドッグは19世紀後半、ドイツ移民がアメリカに持ち込んだ食べ物だと言われています。名前の由来は、新聞漫画でフランクフルトソーセージを犬のダックスフントに見立ててパンに挟み『ホットドッグ』と説明文を添えたところから広まった、など諸説ある」  そう解説するのは生活文化ジャーナリストで『食べるアメリカ人』などの著書もある加藤裕子さん。  そのほかにも「当時、ソーセージに犬の肉が入っているという都市伝説があり、ソーセージを『ドッグ』とアダ名するようになった」てな不気味な説もあるそう。  では、フレンチトーストはどうか。やはりフランス人がよく食べているからこの名前になったの? 「もちろんフランス人も食べますが、実は世界中で、古くなったパンを再生する食べ方としてフレンチトースト的な調理法が用いられているんです」と、菓子文化研究家の原亜樹子さん。ちなみにフランスでは「パン・ペルデュ(忘れ去られたパン)」と呼ばれており、「フレンチトースト」という名前はアメリカで生まれたらしい。 「名前の由来は、フランス移民の間で人気の食べ方だったとか、フレンチという名の料理人が名づけたなど諸説あるものの、実際のところ定かではありません」  食品以外にも気になる名称のモノはある。たとえばサンドバッグ。とあるボクシング用品メーカーに尋ねたところ「サンドバッグと呼ぶのは日本だけで、海外ではヘビーバッグが一般的。そもそも、中身は砂じゃないので」って、そうだったの!? 『あしたのジョー』ではサンドバッグが破れて、砂が流れ落ちるシーンが描かれているけど、実際の中身は端切れや使い古しのタオルなどが多いそう。 「日本のボクシング黎明期、海外から専用の練習器具などが入手できないなか、見よう見まねでズタ袋に砂を詰めたりしたこともあったようで、その名残かと。とはいえ、砂のバッグでは拳を痛めるし、重すぎてまともに吊るせませんよ。ただ、空手のローキック練習用のバッグでは、中身が砂のものが今もあるようですけどね」  矢吹丈の拳が心配……。 ― ジャンル別[気になる名称]大調査【6】 ―
食べるアメリカ人

アメリカ人は、なぜあんなにマズい食事で平気なのか。

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