都知事選サプライズ参戦?細川護煕元首相「小泉批判」の過去

細川護煕

写真は、イベントや講演会のキャスティングを行っている「オーディック」のホームページに掲載されている細川護煕氏

 今や懐かしい響きだが、あの日本を熱狂させた“ワンフレーズ・ポリティクス”の手法は、再び東京都民に通用するのだろうか。

 かねてより出馬の噂が絶えなかった細川護煕元首相が、「脱原発」を掲げ、1月23日告示・2月9日投開票の東京都知事選出馬の意向を固めた。後ろ盾は、安倍晋三首相が「政治の師」と仰ぐ小泉純一郎元首相。昨年10月、細川・小泉両氏は秘密裏に会談し、「脱原発」を目指すことで一致したという。

 すでに、自民党からの支持を取り付けた舛添要一元厚労相を筆頭に、宇都宮健児元日弁連会長や田母神俊雄元航空幕僚長などが出馬の方向だが、この総理経験者の最強タッグが“サプライズ参戦”したことで都知事選の構図は大きく変わると見られている。全国紙の政治部記者が話す。

「独自の候補者を探す時間がない自民党都連が早々に舛添支持でまとまったように、民主党も事前の世論調査で有利と出た舛添さんに乗っかりたかった。それが、『小泉-細川連合』の電撃参戦ですから、当然、与党との対立軸を明確にしたいというのもあり、こちらを応援することになるはず。そもそも民主党は、小泉さんも、細川さんも、ともに口説きにいって門前払いされているんですけどね(笑)。『脱原発』を訴えている宇都宮さんの支持層もこれでバラけてしまうでしょうし……。それにしても、まさか細川さんが本当に出ることになるとは!?」

 こう全国紙記者が驚くように、この「ドリームタッグ」が実際に都知事選に参戦すると見ていた記者は思いのほか少なかったようだ。

「昨年末、猪瀬直樹前都知事の辞任が避けられなくなった頃から、この『小泉-細川連合』が都知事選に向けて動いているという噂は出ていました。ただ、安倍さんの師匠である小泉さんが、政府に物申す立場で直接本人が出るとは思えない。ならば、細川さんを小泉さんが担げばいいという話ですが、『70歳定年』を唱えていた小泉さんが、都知事選の時点で76歳になる細川さんを推すとは考えにくい……。『それでも、脱原発を進めるべき!』と意見が一致しても、最終的には細川さんは手を降ろすのだろうと思っていました。何せ15年以上政治の世界から離れている人ですから」(全国紙記者)

「脱原発」という一点のみで意気投合したとしても、そもそも、この2人の総理経験者がタッグを組むことに違和感を持つ者も多いのではないか。実は、細川、小泉両氏の結びつきは、1996年03月までさかのぼる。この年は、自社さきがけ連立政権の枠組みの下、年初に村山富市内閣が退陣し、自民党・橋本龍太郎総裁を首班とする内閣が発足。この前年に自民党総裁選に初めて挑んだ小泉氏と、小沢一郎氏(現生活の党代表)率いる新進党内でくすぶっていた細川氏が、当時新党さきがけ常任幹事会副代表を務めていた田中秀征経済企画庁長官ともに、「行政改革研究会」なる勉強会を立ち上げたことがそもそものきっかけだ。長年、永田町を取材してきたジャーナリストが話す。

「細川さんと、細川内閣のときに首相特別補佐を務めていた田中さんは近かったが、これに郵政民営化を訴えていた小泉さんが乗っかったかたちですよ。細川さんは、当時“分裂間際”だった新進党代表の小沢さんに対し不信感があり政界再編の新機軸を探していた。一方の小泉さんは、自民党の総裁選に初出馬し、勇猛果敢な若い改革者として顔を売りたいという意識があったので手を組んだだけ。ただ、細川さんはこのとき周囲に『小泉さんは、勉強会の中身は他人任せで、もっぱらマスコミに向けてどうやって派手に発表するかばかり気にしていた……』とこぼしています」

 実はこれ以外にも、細川氏による“政治家・小泉純一郎”を腐す言動はある。60歳の還暦を機に政治の世界から足を洗い、母方の祖父・近衛文麿元首相が遺した湯河原の別邸で長らく隠遁生活を送っていた2005年8月、政界引退後、実に7年ぶりとなるインタビュー記事が『日経ビジネス』に掲載されているのだが、ここには、当時「郵政解散」という乾坤一擲の賭けに出て歴史的大勝を収めた小泉首相に対する批判の声で溢れているのだ。

「小泉さんは、少しやり過ぎじゃないのかな。ホリエモンの選挙擁立とか見ても、そう思いますね。マックス・ウェーバーが言っている『職業としての政治』というのは、そんなにいい加減なものじゃない」
「私は、小泉さんと違って『米国べったり』ではありませんから、言うべきことは言うというスタンスです」
「小泉さんはとにかく、あらゆる政治テーマを政治ショーの演目に仕立て上げるという能力が突出している、と思いましたね。昔河原歌舞伎というのがあったけれど、小泉さんの政治はいわば『河原歌舞伎的政治』。世間では劇場政治とか言ってますが、そんなスマートなものじゃない」

※以上、『日経ビジネス』2005年8月29日号より

 歌舞伎は、1600年代前半に京都・鴨川の四条河原で打たれたとされる「かぶき踊り」が発祥と言われるが、細川氏はこのとき、「河原歌舞伎」という言葉を「大道芸」や「チンドン屋」と同じ類の悪意的な言い回しで使っており、元首相として、当時の小泉首相のやり方をよほど腹に据えかねて見ていたということだろう。ほかにも、小泉氏が行った首相在任時の靖国神社参拝についても批判しているくだりがあるのだが……。ジャーナリストが続ける。

「細川さんは、非自民大連立で首班を受ける際、取りまとめ役だった小沢(一郎)さんを指して『自民党を政権から引きずり下ろすためには悪魔とも手を結ぶ』と言うほど相手を選ばない人。今回の出馬も、小泉さんに持ち上げられたことで決断したと見られており、殿のご乱心以外の何ものでもない。『脱原発』のワン・フレーズだけで、実務家の素養が求められる東京都知事の職をまっとうできるか有権者は見極める必要がある」

 都知事選が、黒子を務める小泉氏との「河原歌舞伎」とならないよう祈るばかりだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

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