更新日:2014年01月28日 11:52
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「かいぼり」で水を抜かれた井の頭池を見に行ってきた【フォトレポート】

井の頭恩賜公園,かいぼり,井の頭公園

取れた魚を一目見ようと大勢の見物客

 現在、東京都三鷹市・武蔵野市にある都立井の頭恩賜公園では、水質の改善と外来魚の駆逐作業を目的とし、池の水を全て抜き、地底を天日干しする「かいぼり」という作業が行われている。  滅多に見られない池の様子が拝見できるということで、現地に足を運びその様子を観察してきた。事前に研修を受けたボランティアスタッフや、生物学者の方々が魚を次から次にすくいあげて、テントまで運んでくる。テント前では魚を一目見ようと多くの見物客が待ち構えており、魚を区分けするテントの前はまるで魚市場のようになっていた。  今回の外来種駆除の主な標的はブルーギルとブラックバスだという。 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=574851
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見物客に取れた魚の説明を行う調査員

「特にブルーギルは推定で4万5000匹、この池にいるとされているんですが、実際にどれだけ確保出来るかは予測も付きませんね。それ以上の数がいるかもしれません」(男性スタッフ)  ちなみにの池にいる外来種の9割ほどがこのブルーギル。今回駆除された外来種は、標本にしたり肥料にされるとのことだ。また、在来種である鯉や双魚、ゲンゴロウブナなどはいったんテントで仕分けされた後、弁天池に移されていった。  清掃作業は既に前日までにほぼ終了しており、池から上げられた自転車が公園から離れた場所に積み重ねられていた。 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=574848
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池から出てきた大量の自転車

「昨日上がったもので多かったのはとにかく自転車ですね。後は、ビデオデッキなんかも出てきましたね。他には工事に使われている柵なんかも出てきました。酔っ払いの人が投げ入れたんでしょうかね(苦笑)」(女性スタッフ)  また、池の周りをよく見るとまだ自転車もちらほらと見受けられたが、中にはスーパーのカートやなど何故池の底にあるのか考え込んでしまうようなものも……。  池の周りを一周すると、ボランティアスタッフの方々が作業を続けている。子供や女性も多く参加していたので、作業の休憩中に話を聞いてみた。 「普段池の中なんか入れないし、魚がたくさん獲れて作業は寒くて大変だけど楽しいです」(ボランティアスタッフの少年)
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寒空の中、池で作業を行うボランティアスタッフの皆さん

「池の水は来月の終わりくらいまでには元に戻る予定です。このかいぼり作業は2017年に100周年を迎える井の頭恩賜公園事業の一つなのですが、再来年とその次の年もかいぼりを行う予定です。昔はこの池もわき水で溢れていたんですが、今は井戸水を組み上げています。昭和30年代にはこの池の水も透き通っていたと聞きますので、その頃のような池に戻したいです。2020年には東京オリンピックもあるので、この公園にも多くの観光客が来て頂けると思うので、より魅力的な公園にしていきたいですね」(都西部公園緑地事務所職員)  かいぼり作業は明日も引き続き行われている。魚や池のことについて丁寧に説明してくれるブースもあるの興味のある方は足を運んでみてはいかがだろう。 <取材・文・撮影/トモMC> 
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