更新日:2016年01月26日 19:40
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元BiS初インタビュー「BiSなりの武道館」とは何だったのか?

―[BiS解散]―
元BiS

元BiSの6人

 2014年7月8日、アイドルグループ「BiS」が横浜アリーナにて行われた「BiSなりの武道館」で解散した。翌日に行われた「元BiSなりのワンマンライブ」(https://nikkan-spa.jp/677798)の直前、「元BiS」の6人に3時間半にわたる怒涛のライブ、そしてBiSとしての活動を振り返ってもらった。  まずは、まるで走馬灯のような全49曲のライブについて。なぜ、3時間半、休憩3分のみというセットリストになったのか? プー・ルイ「これまで20曲くらい連続が最高だったので、足腰がヤバいです。あと、お金がなかったので。中途半端に演出やステージに凝るよりも、いつものBiSで曲をできるだけたくさんやろうということになりました。49曲連続でやってたらもっと騒がれていたかもなんですけど、人知れず49曲やって終わりました」 ファーストサマーウイカ「ヤフーのトップにもならなかったし……。でも、研究員のみなさんがいっぱいネタを仕込んでくれて嬉しかったです。ラストあたりに飛んでいた風船は、ロビーで一生懸命膨らませてくれたものなんです。会場前の献花台もすごかったですね」 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=677934
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研究員らのアツい息が込められた大量のバルーン

 アリーナの最前エリアは10万円ものプレミアムチケットだった。熱心な研究員たちはメンバーから認知されているが、顔や様子はハッキリ見えたのだろうか? ファーストサマーウイカ「バッチリ皺まで見えました。研究員とセキュリティの戦いは壮絶でした。研究員たちの唯一の心残りは、黒人のセキュリティの人たちが屈強すぎてリフトできなかったことだって言ってました」 カミヤサキ「『IDOL』のときにダイブしたんですが、気付いたらセキュリティばっか集まってきて、肩に足乗せたらすぐに下ろされて、『お前ら……』って感じでした」 コショージメグミ「戦ってるの見てこわーいと思ってました。けど、渡辺さん(BiSマネージャー)が『We Will Rock You』歌い出したときは苦笑いしてて面白かったです」  最前エリアでは、屈強なセキュリティ以外にも、柵に有刺鉄線が巻きつけられているプロレスさながらの仕掛けが。 ファーストサマーウイカ「みんな『10万円も払ったのに怪我させられて』ってTwitterとかで怒ってたんですけど、ごめん! それは私たちが『巻いたらおもしれ~じゃん』って提案したこと。傷跡が残っても、永遠にBiSを体に刻むということで」  まさに最前線という研究員らの戦いぶりを詳細に観察していたメンバーだったが、他にもこんな様子を覚えていた。 ヒラノノゾミ「バラード曲で凄い泣いている人が真ん中に3、4人集まっていて、若干面白くなってしまいました。でも私ももらい泣きしそうでした」 テンテンコ「私が作詞した『MURA-MURA』の歌詞にある『ずっと一緒だよ』という文字を書いた横断幕が出てました。私が書いたストーカーっぽい言葉を返されてうわぁぁぁってなりました」 ファーストサマーウイカ「こわいね。オタにずっと一緒とか言われて(笑)」 プー・ルイ「でもさ、そんなこと思ってないのが怖いとこだよね」
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横浜アリーナでのライブ直後

 インタビュー中、「あれ、●●くんだったよね」と、研究員らの名前がたびたび登場したのが印象的で、BiSメンバーと研究員の絆の強さを改めて感じた。  最後に、BiSはメンバーそれぞれにとってどんな存在だったのか振り返ってもらいつつ、今後の活動について一言ずつもらった。 コショージメグミ「元々、BiSの一ファンだったので、そのときに見ていた夢みたいでした。秋からは、いずこねこのプロデューサー・サクライケンタさんの新プロジェクト『book house girl(仮)』のメンバーとして、まだどういうことするのか分かりませんが、好きなアーティストさんと対バンしたりできたらいいなって思ってます。BiSに入るときも、タダでBiSのライブに行けるって感じだったので(笑)」 プー・ルイ「自分の中の一部分みたいで、必死だったけど、解散した気がまったくしない。大したものじゃなかったのかもしれない。今後は、LUI◇FRONTiC◆松隈JAPANとしてバンド活動していきます。アイドルからバンドって難しくて、結局アイドルから抜け切れない人が多いそうなんです。なので、選んだというより誘われたのでという感じですが、言われたことはがんばれるので、BiSでできなかったこと(武道館など)を叶えていきたいと思います」 カミヤサキ「自分の意志を持てるようにしてくれた場所。BiSに入る前は自分の意志がないなんとなく人間だった。新しいアイドルユニット『プラニメ』では、プー・ルイがBiSを作ってきたように、1から自分もがんばっていきます」 テンテンコ「強くなれた修行の場。今まで生きてきて、本当に辛かったことがなくて、少しでも辛かったらすぐに辞めてしまう感じだった。BiSでは、虫を食べたり辛い経験もあったけど、今までにないレベルまでがんばれました。今後はフリーとして活動していきます。色々と自分でやりたくなってしまうので1人でやってみようって。私が面白いと思う物や人をどんどん広めたり、イベントをやっていきたいです。まずはDJとして、イベントに参加します」 ファーストサマーウイカ「後にも先にもない“持ってる”グループで、忘れがたい存在。BiSはDIY精神溢れる感じで、ちゃんとした大人も一緒になって試行錯誤してた。それで『何でこんなことになるんや』って貧乏くじを引いた思いもしてきた。解散ライブの後も、くそ文句言ってる人がいて、最後なのに何でこんなこと言われるのか……、やっぱ“持ってる”なーって思いました」 ヒラノノゾミ「BiSは、引きこもり更生施設……」  ちなみに、ファーストサマーウイカとヒラノノゾミは、新ユニットBILLIE IDLE(ビリーアイドル)でも一緒に活動することになる。 ファーストサマーウイカ「2人に別々で話があって、後から『のんちゃんおるんか!』ってビックリしました。コント集団かもしれないし、お芝居するかもしれない。NIGOさんが関わるので、今までとは違ったものになるのでは」 ヒラノノゾミ「BILLIE IDLEの綴りは、IDOL(アイドル)ではなく、IDLEなんです。怠け者とかいう意味で、まずは食べ残しをしないところからがんばりたいと思います」  怠け者という言葉を受け、コショージメグミからは「オーディション受けよっかな」、プー・ルイからは「みんな売れなくてそこに戻ったら面白いね」とも。元BiSの6人は、解散翌日にもかかわらず、すでに新たなスタートを切っているようであった。 <取材・文・撮影/林健太 ライブ写真/主催者提供>
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