中国税関で押収された数千台iPhone6の行方は!?
今回のiPhone6、iPhone6 Plusの発売では、日本全国、いや、世界各地で中国人転売ヤーたちの姿が目立った。都内の各アップルストアでは、行列への割り込み、ルール無視の場所取りなどが問題視され、テレビのニュースになったほどだ。
しかし、世界一、中国人転売ヤーたちが暗躍したのが香港。中国とは陸続きなので、転売目的の中国人が大挙して押し寄せたのだ。現在、中国・深センと香港の間には5つのチェックポイントが存在するが、発売1週間で深センの中国側税関で押収されたiPhone6、iPhone6 Plusは2000台以上に登るという(人民日報9月24日付)。密輸方法も様々で、8台ものiPhone6を密輸しようとした香港人男性は、リュックの中に入れた3本の一眼レフのレンズの中と、パンツの中で計8台も隠していたという。
中国の法律では、自己使用以外のスマホを輸入する場合、10%の関税がかけられるが、密輸軍団はもちろん関税を払おうとせずに通過するため、荷物検査で見つかって押収されることになる。関税をその場で払えば輸入できそうな気もするが、そうもいかないようだ。複数台密輸した場合、関税額もバカにならないので、密輸に手を染めるような人間はそもそも支払い能力がないのかもしれない。
ここで疑問に思うのは、押収された後のiPhoneだ。深センだけで2000台以上の押収となれば、中国各地の税関で押収されたiPhoneは数千台になるだろう。「どうせ、中国の税関職員が自分で使ったり、誰かに転売するんでしょ」と思う人も多いはず。筆者もどうせそうだろうと思っている。過去、筆者は中国の空港で、空港の外で堂々と飛行機搭乗前の保安検査で没収された酒などの液体類、ライター、ナイフを売っている人たちを見てきたからだ。ちなみにその売り子に話しかけたとき、オバハンは堂々と「親戚が中で働いてて、没収したものをわけてくれる」と悪びれずに語ってくれた。
ただし、今回ばかりはiPhone6への関心が高く、また「反腐敗」を掲げる習近平政権の下で税関職員も「ポッケにナイナイ」はできないようだ。中国税関は中国メディアの取材に対し、「主要紙に開催日時と場所を告知した上で、だれでも参加できる公開オークションをして販売する」と表明。中国のネットユーザーからも「本当にオークションが行われるか、みんなで監視しよう」という声が広がっているようだ。
<文・バーナード・コン(本誌特約) 写真・新華網>
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