崖っぷち漫画家・市橋俊介「編集部を訴えようかと思った」――“農業漫画”を始めて辛かったこと

 現在、週刊SPA!にて連載中の『ぼっち村』。アラフォーにして売れない漫画家・市橋俊介が農村へと居を移し、みずから畑を耕し、近隣住民と交流し、手塩にかけて育てた野菜によって自給自足を目指す農業漫画である。

 難航を極めた物件探しに、育たない農作物。過酷な自然の洗礼、野生動物との果てしなき戦い。そして、人付き合いの苦手な市橋が織りなす、近隣住民との交流……。そんな苦難やらなんやらのドタバタの記録である連載をまとめた単行本が、ついに9月2日(水)発売となった。(現在、日刊SPA!では現在第1話~第11話を無料で試し読み公開中!

 第2弾となる著者の市橋俊介氏へのインタビュー。今回は「ぼっち村を始めて心底辛かったこと」を激白!

⇒前回「真夏の開墾は本当に死ぬかと思った!」

◆「虫、カラス、野生動物…自然の住人との戦い!」

 一番最初の開墾作業中からマムシが出るわ、せっかく育ったトウモロコシやスイカがカラスに食い荒らされるわ、とにかく野生動物の存在はつねに意識しなきゃいけません。(マムシは捕まえて食べましたが!)

カラスに食い荒らされてしまったトウモロコシ

カラスに食い荒らされてしまったトウモロコシ。そのほかスイカなども被害に……

 幸い今のトコロ畑の中には進入されてませんが、他にもイノシシやサル、シカ、クマもいますし、野菜だけじゃなく自分の命の危険も考えねばなりません。

 そしてなんと言っても厄介なのはブヨ。小さな小さな吸血バエです。刺されると手足が2倍ほどの太さにまで膨れ上がります! それに加え尋常じゃない痒みが襲ってくるし、薄い生地なら服の上からでも血を吸ってきますからね。夏だからって薄着で畑に出ちゃ完全アウトです!夏でも長袖、長ズボン、そして長靴に軍手と、帽子は必須です。

◆「一斉に突入する収穫時期。そして編集部の反応が……!」

 これも当然のことなんですが、同時期に植えた農作物はある時期に一斉に収穫時期を迎えます。いかんせん「ぼっち村」は住民が私だけですから、一気に大量に収穫できても消費できないんです。日々、ず~っと同じ野菜を手を変え品を変え調理して食べてはいるんですが、それでも追いつきません。そんなときは、SPA!編集部に野菜を送ってみてるんですが、お礼や感想がないドコロか、何故か迷惑扱いです! あまりのSPA!編集部の酷さに、JAROか消費者センターに訴えようかと思ったこともありますが、この扱いこそが、自然よりも厳しいぼっち村の現状なのだと、背筋に冷たいモノを感じながら頑張っております。

大量に収穫されたジャガイモ

大量に収穫されたジャガイモ。確かにこの量を1人で消費するには無理がある!

◆「リアルタイム連載の難しさ」

 連載しているSPA!は週刊誌なので、やはり季節に沿ったリアルタイムなものにしなければならないというコトには、常に悩みっぱなしでした。ネタ出しから掲載誌の発売までどうしても3週間~1ヶ月はかかってしまうので……。のんびりしているとあっという間に季節がズレてしまいます。

 また、いろいろな事態が日々発生するなかで、それらを毎週2ページに纏める作業もなかなか骨の折れる作業です。それでネタがギュウギュウ詰め、文字が小さくなって読みにくくなっていると言うのは単なる言い訳でしかないのですが、増ページのお願いは今のトコロ叶う気配もありません!!

 そしてそうかと思えば、冬になって農閑期に入ると、逆にネタが一切なくなるのです。そんな冬の何もない様子を淡々と綴ってもいいのでしょうが、SPA!からは同じことは繰り返すなとつねに言われているので、釣りに興じたり、ヨソ様の畑にお邪魔して農作業をお手伝いしたりと、ぼっち村から飛び出すことで、なんとか連載をつなげました。

昨冬の高原のぼっち村

昨冬の高原のぼっち村のようす。これだけ雪が積もれば農業どころではないのは言わずもがな

 ということで、ぼっち村の最大の苦労は、この漫画の連載でした! もっともっと描きたかった様々なハプニングや苦労は、ページ数の都合で割愛せねばならなかったり、また、同じことを実直に繰り返しながら、自然と闘い、己に向き合い成長していくのが田舎暮らしなのに、毎週毎週、違う切り口、違うネタで見せねばならぬというのが、農作業よりも、夏の暑さや冬の寒さよりも厳しかったです!!

<第3弾へ続く……>

 そんなこんなで苦労続きのぼっち村。そんなようすの詳細は、現在全国の書店で発売中の『ぼっち村』単行本で要チェック!(帯にはなんと、今をときめく売れっ子作家、伊坂幸太郎さんのメッセージが!)

 またインタビュー第3弾では、今回とはうって変わり、「ぼっち村を始めて良かったこと」を直撃。東京生まれ東京育ちの軟弱アラフォー男子・市橋俊介があがいた2年間の農業生活の一部始終を、震えて読むべし!

<取材・文/日刊SPA!編集部>

ぼっち村

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