更新日:2022年07月02日 09:29
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株主優待バブルは破裂寸前!? 億超えトレーダーが教える3月優待駆け込みガイド

株主優待バブルは破裂寸前!? 億超えトレーダーが教える3月優待駆け込みガイド

掘り出し銘柄は探せばみつかる!

◆株主優待を充実させすぎて赤字転落の会社も 「アベノミクス株高とともに『優待バブル』が発生。株主優待制度を新設、拡充させる企業も目立ちました。ところが最近では、この優待バブルに終焉の兆しが見られるんです」  そう推測するのは、掃除夫として働きながらの株式投資で億を超える資産を築き、脱サラを果たしたwww9945氏だ。 「『unico』のブランドで家具・雑貨店などを展開するミサワという会社があります。優待投資家に人気があった会社ですが、2016年1月期は7600万円の赤字に転落。大きな原因のひとつとなったのが、株主優待引当金1億200万円の計上でした」  2015年12月以前は100株以上を保有するとunicoで使える15%割引券が2枚、さらに5000円分のお食事券がもらえるため、ミサワの株主優待では人気となっていた。 「だからといって優待を充実させすぎて赤字になるのでは本末転倒ですよね(笑)」  そのためミサワでは優待制度を一部変更。人気だったレストランの食事券はなくなった。 ◆優待トレンドは長期保有株主優遇へ 「ミサワは極端な例ですが、『優待クロス』の普及もあり、今後は長期保有株主への優待を充実させる流れにあるのでしょう」  優待クロスとは、現物取引と信用取引を併用し両建てするやり方。株主優待の権利確定日直前に現物を買って、同時に信用取引で売り建てておけば値下がりリスクを回避できる。 「優待クロスの株主は権利が確定すればすぐに売却してしまう。企業にとってありがたくない株主です。それもあり今後は長期保有する投資家への優待を手厚くしていく方向に動いてくでしょう」  株主優待の本来の趣旨が「株を持っていてくれることへのお礼」であることを思えば仕方ないところか。でも、優待バブルの終焉、長期保有優遇はあくまでも長期的な流れ。足もとを見れば、魅力的な優待銘柄はまだ多い。 ◆3月優待の権利確定日までわずか。チャンス銘柄を一挙紹介!  日本企業の決算が集中する3月末は、株主優待ラッシュの季節でもある。今年3月末の株主優待を獲得するための権利確定日は3月28日。目前に迫ったチャンス、どの銘柄で狙うべきか。 「私が狙うのは換金性の高い金券や自分で消費できるもの。先日はテーオーシー(8841)の優待でもらった『浅草ROXまつり湯ご招待券』でスーパー銭湯を満喫してきましたし、今日は帰りにヤマダ電機(9831)へ寄ろうと思います。池袋のヤマダ電機には書店もあるので優待券をムダなく使えるんです」  自宅ではヤマウラ(1780)でもらった、さけるチーズや飲むヨーグルトを満喫してと、9945氏は優待生活を満喫中だ。 「今年の日本株は下落基調ですが、そのおかげで優待銘柄を買いやすくなっています。私が目安とするのは『配当利回り+優待利回り>5%』。昨年の株高局面では、この基準を満たす銘柄が減っていましたが、最近また増えているんです」  前出のヤマウラやヤマダ電機も5%を超えるし、堀田丸正(8105)もそのひとつ。 「美容家の山野愛子が創設したヤマノホールディングスの子会社が堀田丸正で、スポーツ用品店などで使える共通買い物券がもらえます。配当利回りは3%超ですが、1000株保有でもらえる1000円分の買い物券を加えると実質利回りは5%になります」  5%超の実質利回りがある銘柄ならば、少々の下落にも耐えられる。 「今は優待銘柄の下落リスクにも備えておきたい時期」だとwww9945氏は警告する。 「アベノミクス株高で『優待スター』となった桐谷さん。彼に影響されて優待銘柄を買った人も多いと思います。ところが日本株市場は年初から下落。含み損を抱えた優待投資家も多いでしょう。彼らがいつ損切りするか、おそらくは3月28日の株主優待の権利を確定させたあとでは」  下落リスクにも気をつけながら、おいしい株主優待銘柄を拾っていくべし! 【サラリーマン兼業投資家 www9945氏】 大学卒業後、某食品メーカーに入るも挫折。親戚の勧めで清掃代行企業に入社する。以来、20年以上に渡り掃除夫として年収300万円の下流サラリーマン生活を継続。そのかたわら、1996年から本格的に開始した株式投資では2003年頃から開眼。高配当バリュー銘柄への投資で2億円超の資産を築いて退職。専業投資家となる。その道程、具体的な売買手法は著書『年収300万円、掃除夫の僕が1億円貯めた方法』を読むべし! (取材・文/高城泰)
1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。編集プロダクション「ミドルマン」所属。株、FX、仮想通貨など投資関係の記事を幅広く執筆。著書に仮想通貨の入門書『ヤバイお金』(扶桑社)、『FXらくらくトレード新入門』(KADOKAWA)など
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