日本ではありえない!? 意外すぎるメジャーリーガーの引退理由
現地時間3月15日に、シカゴ・ホワイトソックス所属のアダム・ラローシュ内野手(36)が、突然「個人的な理由」として引退を発表した。急な発表にファンも混乱状態。だがファンが驚いたのはそれだけではなかった。この個人的な理由とは、ラローシュ選手の息子、ドレイク君(14)のクラブハウスの出入りに球団側からクレームが出たことが発端だった。
数日経ち調査が進むと、実は数人の選手が子どもをクラブハウス内に入れることを快く思っておらず、球団幹部も「毎日クラブハウスに連れてきて良いとは契約していない」と発言していた、と報道された。
ラローシュは2004年のデビュー以来コンスタントに二桁ホームランを記録する、通算ホームラン255本のパワーヒッター。2012年にはMVP投票6位にも選出されるメジャー屈指の強打者だ。今年、東北楽天ゴールデンイーグルスに入団したジョニー・ゴームズ選手(35)が、通算162本のホームランを放っていたと言えば、比較がしやすいだろう。
そんな実力のある彼が、今年の契約金1300万ドル(約14億円)を破棄し引退するとあってか、エースであるクリス・セール投手(26)が球団へ「球団と選手とのコミュニケーションが必要だ」とラローシュを擁護する会見を行うなど、開幕を目前にチームは混乱をきたしている。
この騒動を尻目に「クリス・セールは、俺が息子を愛してないって心配してるよ」と自身のTwitterで呟き、1800ものリツイートをされたダン・ヘイレン投手(35)もまた、退団まで奇妙なルートを辿っている選手だ。
彼は元々カルフォルニア州出身で、ロサンゼルス・エンゼルスやオークランド・アスレチックスといった西海岸に本拠地を持つ球団でプレイしていた。しかし、2013年に本拠地が東海岸のワシントン・ナショナルズに移籍し、成績が低迷。翌年はロサンゼルス・ドジャースに所属するが、その年のオフには東海岸のマイアミ・マーリンズへトレードされ、「西海岸以外のチームでは投げない、離れるならば引退する」とコメントを残し物議を醸した。
2015年、引退することなくマイアミの地で開幕を迎えたヘイレンだったが、シーズン途中で再び移籍。またもや西海岸とは程遠いシカゴに本拠地を移し、その年を最後に引退。彼の現在のTwitterアカウント名は「@ithrow88(私は88マイル≒142キロを投げる)」と自信に満ち溢れた点からも、西海岸の球団から声がかかれば…と考えているのかもしれない。
このような引退騒動は、日本であれば阪神時代の新庄剛志外野手などが想起させられる。日本では身体の限界が主な引退理由だが、いずれにせよ、上記の2選手のように家庭や生活を優先させるという引退理由は日本では少し珍しいのではないだろうか。
取材・文/石橋和也(Far East Division)
photo1 by Keith Allison via flickr/photo2 by Keith Allison via flickr
「子どもをクラブハウスに毎日連れてくるな!」
「西海岸以外で投げない!」こだわりのある投手
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