貧困ビジネスに搾取される人たちには“グータラ病”が蔓延している【生活保護の闇現場】
〈室内は2畳ほどのスペースで、床は畳。部屋の大半を占める簡易式のベッドは、壁と同化している。2段ベッドではないのに、胸の高さまである不自然な高さだ。~中略~ユニティーの食事(晩飯)は基本的にはレトルト食品だ。東西堀荘の賄さんは元ホームレスで沖縄出身の比嘉(50)。調理の仕事をした経験は一切ない。毎週火曜日に本部から送られて来て、炊事場にある2台の大型冷蔵庫で凍らせてあるレトルトの食材を、油で揚げるか、レンジでチンするだけ〉
朝飯は午前10時に食堂に用意される即席ラーメン。また、クーラーを使えるのはどんなに暑い日でも14~23時まで、入浴は週3日しか許されず、一般家庭と同じサイズの風呂場を入所者全員(約30人)が交代で入ることになる。こうした記述を見れば、どれほどの額をピンハネされているのか、想像に難くないだろう。
「貧すれば鈍する」という言葉が適切かはわからないが、これだけ明白な搾取の構造があるにも関わらず、入所者に反発の色は見られない。むしろ、この劣悪な環境下での生活・歪んだヒエラルキーを享受している節は、長田氏が接した入所者の以下のようなコメントからも窺える。
『潜入 生活保護の闇現場』 長田龍亮・著 ナックルズ選書 本体1000円+税 |
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