忙しすぎるビンスの3つのアジェンダ――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第120回
ビンス・マクマホンは3つのアジェンダ=重要課題を抱えていた。ひとつめは1月のPPV“ロイヤルランブル”のプロデュースで、ふたつめはスーパーイベント“レッスルマニア8”のプランニング。そして、“ロイヤルランブル”と“レッスルマニア”にサンドウィッチされる形で、4月からスタートを切るボディービル団体WBF(ワールド・ボディービルディング・フェデレーション)とそのテレビ番組“ボディー・スター”の制作準備が同時進行していた。
1・19“ロイヤルランブル”はニューヨーク州オーバニーのニッカボッカー・アリーナに1万7000人の大観衆を動員した。30選手出場の変則時間差式バトルロイヤル“ロイヤルランブル”は、3番めにエントリーしたリック・フレアーが1時間2分のマラソン・マッチを闘い抜き、セッド・ジャスティスをオーバー・ザ・トップロープで場外に転落させて優勝。空位になっていたWWE世界ヘビー級王座を手に入れた。
試合開始から50分経過の時点で26番めにエントリーしてきたハルク・ホーガンは、アンダーテイカー、バーザーカー、ウォーロードらを場外に放り捨てたが、ロープサイドでフレアーと接触したところを背後からセッドに襲われトップロープから場外に転落して失格。フィニッシュ・シーンでは、フレアーとやり合うセッドの腕をホーガンが場外からひっぱってトップロープごしにリング下に転落させた。
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