ビンスが“CNNラリー・キング”でヒヤリ――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第121回
それから2週間後、こんどは『ニューヨーク・ポスト』紙と『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』紙に“WWEでホモセクシャル・ハラスメント?”という記事が掲載された。WWEの試合会場でアルバイトをしていた少年がゲイのエグゼクティブから性的アプローチを受け、これを断ったため不当解雇された、といった内容の“告発記事”だった。
数日後、元レスラー、元レフェリー、元WWEスタッフら数人が「自分もまったく同じ経験をした」と名乗り出てくると、テレビのワイドショーはこれらの“証言”に飛びついた。
新聞記事では“ゲイのエグゼクティブ”の個人名は明らかにはされなかったが、パット・パターソン、テリー・ガービン、メル・フィリップ(リングアナウンサー)の3人が3月2日付でWWEに辞表を提出した。
ビンスは「役員(パターソンとガービン)、スタッフ(フィリップス)の退社は不可解なウワサとは無関係」とホモ・セクハラ疑惑との因果関係を否定したが、WWEが“問題の人物たち”の辞職によってこの新たなるスキャンダルの早期沈静化を狙ったことはだれの目にも明らかだった。
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