メルセデス・ベンツが日本で売れる理由――博打的なSUV戦略がヒット、超富裕層向けは3510万円も
ところで、「新車効果」というものを知っているだろうか? これは発売直後の勢いに乗って、クルマの販売台数を伸ばすことを指した言葉だ。
そもそもメーカーが力を入れている新型車には、莫大なプロモーション費用がかけられている。
例えば、昨年新型になった4代目プリウスあたりだと、軽く見積もって数億円だろう。開発費まで含めると、新車1台を世に出すまで数百億円規模の費用がかけられている。
だからこそ、新車をポンポン発売するのは簡単なことではない。
それが輸入車となればなおさらだ。なにしろ、開発するのは遠く離れた本国のメーカー。日本のインポーターが「売れ筋のミニバンが欲しい」とか、「ハイブリッドモデルをいっぱいつくって」と本国にオーダーしたところで、日本のユーザーのための新車がタイムリーに導入されることなんて、まずあり得ない。
そんななか、日本市場でも評価が高いSUVモデルを、タイムリーにバンバン導入しているのがメルセデスだ。その理由を一言でいえば、長期戦略が見事ヒットしたから。まあ、言葉は悪いが博打が当たったといってもいい。そもそも10年後のヒットモデルなんて、誰も予想できないわけで。とはいえ、’16年は「SUVイヤー」と自ら名乗るだけあって、日本ではメルセデスのSUVの集中砲火が続いている。
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まず、同社のSUV戦略の頂点に君臨するのがGLS。これは高級大型セダンSクラスのSUV版で1070万円~。その下には、中核モデルのEクラスがベースのGLE(868万円~)やGLEクーペ(890万円~)、さらにはCクラスがベースのGLC(628万円~)が続く。これに’14年デビューの末っ子GLA(351万円~)を加えると、メルセデスのSUVシリーズは完成。今後は、ディーゼルやプラグインハイブリッドも追加される。
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