ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード04=マクデビット弁護士の反撃――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第157回
ザホリアン医師は、ステロイドの販売ビジネスとビンスあるいはタイタン・スポーツ社との関係を明確に否定した。マクデビット弁護士はここでザホリアン医師の記憶力をチェックする作戦に出た。検察サイドが立件した“4・13事件”と“10・24事件”に関する質問だった。
「ここに宅配便のパッケージがあったとします。荷物の日付けや伝票をみただけで、その中身がなんであったかをきっちりと思い出せますか」
「それはむずかしいと思います」
「アニータ・スケールさんという方をご存知ですか?」
「記憶にありません」
「エミリー・ファインバーグさんという方は?」
「知りません」
マクデビット弁護士が名前をあげたふたりの人物は、いずれも検察側が証人として召喚したタイタン・スポーツ社の元社員だった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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