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ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード05=ホーガンとビンスは友人?――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第158回

 マクデビット弁護士によるザホリアン医師への反対尋問がつづいた。 「あなたとビンスの関係は、医師と患者の関係ですか?」 「一般的な定義でいうところの医師と患者の関係ではなかったと思います」 「ビンスはあなたからステロイドを買う、いわばクライアントだった」  ザホリアン医師は「ミスター・マクマホンから直接、注文を受けたことはありませんが」とだけ答えた。 「ホーガンとじっさいに会ったり、電話で話したりしたことは?」 「ミスター・ボレア(ホーガン)から直接、電話をいただいたことがいちどだけありました。アトランタで映画を撮影していたときでした」 「会話の中身を教えてください」 「ミスター・ボレアはゼウス(ティーニー・リスター=共演の映画俳優)が使うテストステロンのボトルを『3、4本、至急送ってくれないか』と。『ビンスのアトランタの仮事務所に送ってくれ』とのことでした」  マクデビット弁護士は、証人の不用意なコメントを見逃さなかった。 「そうすると、ビンスからホーガンへのステロイドの販売・流通ではなくて、ホーガンからビンスへのステロイドの販売・流通もあった、ということですね」  公判3日め(7月8日)はここでタイムアップとなった。(つづく)
斎藤文彦

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