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“レックス急行”ルーガーの一瞬の夏――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第142回

 1987年から1992年2月までNWAクロケット・プロ―WCWに在籍後、同年3月、WWEと契約。WWE傘下のボディービル新団体WBF(ワールド・ボディービルディング・フェデレーション)のキーパーソンとなるはずだったが、WBF消滅後はプロレスにUターン。ギリシャ神話のナルキッソス――自分の姿に恋した美青年――をモチーフにした新キャラクター、“ザ・ナルシシストThe Narcisist”レックス・ルーガーとして再デビューした。  ビンスはルーガーを一夜にしてスーパースターに生まれ変わらせるための“舞台”を用意した。シチュエーションは、WWE世界王者ヨコヅナの悪党マネジャーのミスター・フジがプロデュースした(とされる)“ヨコヅナ・ボディースラム・チャレンジ”。ロケーションはニューヨーク・ニューヨークに停泊中のUSSイントレピッド海軍航空母艦の甲板上で、イベントの日時はアメリカ人が大好きなホリデー、7月4日の合衆国独立記念日だった。  ルーガーを乗せたヘリコプターがどこからともなく現れ、航空母艦のデッキに着地し、なかから出てきたルーガーがヨコヅナの650ポンドの超巨体をいきなりボディースラムで投げつけた。レッド&ホワイト&ブルーの星条旗カラーのTシャツを着たルーガーは「ファンのみなさん、わたしは変わった」と正統派転向をアピール。TVショー“マンデーナイト・ロウ”がこのイベントの一部始終を番組用に収録した。  ルーガーの売り出しキャンペーンの第2弾は“レックス・エキスプレス”と命名された大型バスによるアメリカ大陸横断ツアーだった。WWEは7月と8月の2カ月間をフルに使い“ルーガー急行”の大陸横断ツアーをおこない、“アメリカン・ヒーロー”ルーガーが旅先で子どもファンと交流するシーンがドキュメンタリーとして映像化された。
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ルーガーが“第2のホーガン”になってくれると考えていたが…
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