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“レックス急行”ルーガーの一瞬の夏――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第142回

WWEオフィシャル・ マガジン

ビンス・マクマホンにとって“ポスト・ホーガン路線”の大本命は、ブレット・ハー トではなく、あくまでもレックス・ルーガーだった(写真は「WWEオフィシャル・ マガジン」表紙より)

 それはビンス・マクマホンの気まぐれや思いつきというよりはWWEの“長期事業計画”だった。チャンピオンのイメージは、ギリシャ彫刻のような肉体を持ったWASP(ワスプ=ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)であることが大前提で、髪の色はブルネットよりもブロンド、瞳の色はブラウンよりもブルー、リングコスチュームは“ブレッド&バター”と形容されるショートタイツとリングシューズのベーシックな組み合わせがいちばん望ましい。これがビンスの持論である。  ビンスがポスト・ホーガン体制の主役の座に抜てきしたのは、いちどはWWE世界ヘビー級王座をその手中に収めた“ヒットマン”ブレット・ハートではなく、ホーガンによく似たタイプのレックス・ルーガー(本名ラリー・フォール)だった。  ルーガーは1958年、ニューヨーク州バッファロー出身。ペンシルベニア州立大、マイアミ大でフットボールで活躍後、NFL(グリーンベイ・パッカーズ=スプリング・キャンプのみ参加)、CFL、USFLに在籍後、1985年にヒロ・マツダのコーチを受けフロリダでデビューした。
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ボディービル新団体WBFのキーパーソンとなるはずだったが…
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