リオ五輪、行列にキレるブラジル人たち! 会場に向かう券売所は大混乱だった
この行列を苛立たせる理由はほかにもある。「なにかお困りですか!」と英語、ポルトガル語両方でTシャツに書いてある「五輪共通カード」の販売員がかなりの数ウロウロしているのだ。「行列に並びたくなければ、(高額の)800円のカードを買え」と言わんばかりにウロウロするのだ。
そこに拍車をかけたのが、閉鎖されていた2番窓口が突然オープンしたこと。行列の最後尾が2番窓口近くに伸びており、そこにいた客が新たに開いた窓口に殺到したのだ。これに我慢ならないのは1番窓口にじっと並んでいた客たち。オジサンたちを中心に、「横入り」した客に怒号を浴びせる。その怒りは「五輪共通カード」を売る係員にも向けられ「こんな高いものを売りつけやがって、恥を知れ!この野郎!」などとヒートアップしている。
この時、行列の前のオバサンがバスカードと現金を手に持っていることに気づいた記者「これにチャージするんですか?」と聞くと「そう」と言う。なんと!充分なチャージ額があった記者は並ばずに済んだのだ。
騒動を最後まで見届けようと最後まで並んだ記者であったが、徒労感は否めない。結局地下鉄からBRTに乗り換えるのに30分かかり、卓球会場に着いたのは、競技開始時間の1時間後、そこから競技会場に入るまで並び、飲み物を買うにも並ぶ……。精神力を試されるのが五輪なのだ。
取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)1
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