雑学

ポケモンGOの熱狂から冷めるまでの早さは夏の恋並み【コラムニスト原田まりる】

引き続き感心しっぱなしのA君だがその後は……

 六本木はポケモンGOを楽しむ人たちで賑わっておりポケストップの近くに立ち止まっていると「あそこにドードーいましたよ」「なにかレアなの捕まえました?」といった具合に仲間意識を持って話しかけてくる人が多かった。街はハロウィンや年越しカウントダウンの時のようなお祭りモードであった。どこも混み合ってそうなので、A君と私はさっと食事をとろうと天下一品に向かっていたその時、A君が声を上げた。 「ワンリキーがいる!あ~ハイハイ、そういうことね!」  ワンリキーとは腕っ節の強そうなかいりきポケモンである。A 君は出現場所の横に建つビルを見上げながら妙に納得したように何度も頷いていた。「え、どういう意味?」私が尋ねると、A君は神妙な面持ちでヒソヒソ声でこう呟く。 「このビル……六本木クラブ襲撃事件があった建物でしょ……だから関東連合的な意味でかいりきポケモンがいるんでしょうね……」「え!?本当にそんな因果関係あるの!?」「いや、それ以外考えられないでしょ。はあ、すごいなあ、ポケモンGO……」  ワンリキーを捕まえたA君は、その後も「ゴースが出た場所の近くには大島てる物件がある」「大きな運動公園の近くにはサワムラーがいるらしい」と出現ポケモンと土地の因果関係を語り続けた。  いまになってこそ、A君の憶測は完全な独断と偏見であるとわかるのだが、リリース当時は「ポケモンGOすごい!」という思いが強すぎて「確かに一理あるかもなあ」と納得している自分もいた。  まるでブラタモリに出てくる案内人のような流暢さでポケモンが出現する必然性を語り、その都度ポケモンGOをベタ誉めするA君だったが、先日、ポケモンGOの進み具合を聞くと、レベル18で止まっているとのこと。  詳しく聞くとリリース前にポケモンGOに抱いていた期待値が高すぎて、リリース当初はなにかにつけて「さすが、ポケモンGOスゴイなぁ!!」と感動しっぱなしだったが、徐々に熱意も冷めてきてたまにしか開かなくなったらしい。「期待値をあげすぎていた分、テンションが冷めるのも早かった」とA君。確かに、自分で盛り上げた感情は一瞬の冷静さで失速しやすいものかもしれない。ポケモンGOリリース当初の異常な熱狂ぶりは、ひと夏の恋に焦がれる熱狂に近かったのかなと思うお盆明けである。
原田まりる

ポケモンGOを始めてから「痩せた?」とよく突っ込まれますが確かに痩せました

【プロフィール】 85年生まれ。京都市出身。コラムニスト。哲学ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。レースクイーン、男装ユニット「風男塾」のメンバーを経て執筆業に至る。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。Twitterは@HaraDA_MariRU 原田まりる オフィシャルサイト https://haradamariru.amebaownd.com/
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私の体を鞭打つ言葉

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