雑学

ファミレスで隣の席の会話に聞き耳を立てていたら、大喜利を観覧したような気分になった話【コラムニスト原田まりる】

 近所のファミレスにパソコンを持ち込み、長居することが多いのだが、その際に隣の人の会話が気になってしまうことがある。

 よくあるのが保険の営業マンと新婚夫婦の会話。ウエディングハイ状態になっている花嫁の「新婚旅行はイタリアで考えてて☆」といったマシンガントークに営業マンが「うんうん、いいですね~」と絶妙なタイミングで相槌を打ちつづけるというもの。これは、コミュニケーションのスキルを掴める会話だったりする。

 このように一人で作業していると、隣の席の会話から思いもよらない知識やスキルを獲得できることがあるのだが、先日隣の席に座ったのは、アパレル関係者御一行であった。

ファミレス

※写真はイメージです

取材にならない応答に思わず固唾を飲む


 敏腕スタイリストっぽい女性が1人、そしてファッション誌の女性ライターと編集の男性。計3人が隣の席について取材を始めようとしていた。普段、アパレル関係者と接する機会のない私にとっては絶好の機会。取材に聞き耳を立てるのはいい趣味ではないが、ファッションスキルをなにか盗めるかもしれないと期待し、耳を傾けていた。

「まず、スタイリストのヨーコさん(仮名)的に、この夏買うべきアイテムはなんでしょう?」インタビュアー女性はまず差し障りのない質問を投げかけた。私は「この夏のトレンドはレースものなのよ」といった具体的な答えを期待していたのだが、スタイリスト女性はその質問に固まってしまったようであった。「えっあっ…こ、この夏?え、えっとう~ん、なんだろう、う~ん」と明確な答えを出すことなく、うつむき出したのだ。

 歯切れが悪い彼女の様子を見かねたインタビュアーは質問を変える。「いまの質問わかりにくいですよね、ではこの夏、買うべき靴はどんなものでしょう?」すると彼女は「えっ、く、靴か~う~んう~ん、そうだな…爪の…爪の出る靴!」と答えた。

 隣のテーブルの空気は一瞬で固まった。私は徐々に自信なさげに答えるスタイリスト女性に対する心配が次第に心に湧き上がってきたのだ。ファッション誌を読んだことのある方ならわかると思うが“爪の出る靴”という名称のファッションアイテムは無い。

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試合は徐々に斜め上の展開に!

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私の体を鞭打つ言葉

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