自動運転車とは何なのか? 技術だけでは実現しない自動運転社会への高い壁
自動車ジャーナリストの団体AJAJによれば、昨今話題の自動運転は現段階では安全支援であって、一般の人がイメージする「すべてをクルマが自動でやってくれる自動運転」ではないそうです。同様に自動運転技術も運転支援技術と表現したほうが誤解を与えないとか。確かに「ミニバンクラス世界初、同一車線自動運転技術搭載」と聞くと、「自動運転できるミニバン」だと思ってしまった人もいることでしょう。新型セレナは、日産が言うところの“自動運転技術”を搭載した世界初のミニバンでありますが、言い換えれば運転支援技術を搭載しているのであって、“自動運転車”ではありません。そんな新型セレナが生み出された謎に迫りました!
西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
林 紘輝=写真 Photographs by Hayashi Kouki
「やっちゃえ日産」のCMよろしく、発売前のティザー広告では「自動運転車両が300万円を切ってくる!」とか、「手放し運転で渋滞も楽々か!?」などともてはやされたが、実際は「自動運転」と呼ぶにはほど遠く、「運転支援技術」どまりのクルマだった新型セレナ。
そもそも「プロパイロット」と称して新型セレナに搭載された「同一車線自動運転技術」は、
①アクセルとブレーキを調整して前の車に追従して走る「アダプティブ・クルーズ・コントロール機能」
②車線の真ん中を走るようにステアリング操作を行う「車線中央維持機能」の組み合わせに過ぎなかった。
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しかもこれら2つの機能は、10年以上も前から、ほかの日本車で実用化されている。
厳密に言えば、②の機能が時速約60km未満の速度域でも働くのは新型セレナが日本初だし、それを排気量1.5~2リッターの8人乗りミニバンに限定すれば、対象車種が少ないこともあって紛れもなく世界初。しかしながら輸入車では、3年以上前から時速約60㎞未満でも②が使えた。そもそもミニバンカテゴリーで世界初と、対象幅を狭めているから、よくよく考えると新鮮味はない。
なぜ、この時期に日産は不完全な自動運転車をやっちゃったのか?
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