ロックとトリプルHのライバル物語・序章――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第243回(1997年編)
試合後、場外でトリプルHとゴールダストがニラミ合いを演じていると、こんどは観客席から突然乱入してきた“女性ファン”がゴールダストのマネジャーのマレーネに襲いかかり、背後からのチョークスリーパーでマレーネを絞め落とした。
正体不明の“女性ファン”として乱入してきたのは、トリプルHの『キラー・コワルスキー道場』時代の後輩で、当時、東海岸エリアのインディー・シーンで活動していたジョーニー・リー(本名ジョーニー・ラウアー)。のちの“世界の9番めの不思議”チャイナだった。
チャイナ(この時点ではリングネームは未発表)のキャラクターはトリプルHの“女ボディーガード”で、チャイナの出現によってトリプルHはいよいよヒール・サイドの主役のポジションを手に入れることになる。
いっぽう、インターコンチネンタル王座をめぐる闘いはロック、オーエン・ハート、そして“ストーンコールド”スティーブ・オースチンの3人をキーパーソンとした長編ドラマへと発展していく。
ロッキー・メイビアのリングコスチュームはライトブルーのタイツとヒザのすぐ下までの長さの白のリングシューズで、ハンター・ハースト・ヘルムスリーのそれはワインカラーのロングタイツと乗馬ブーツをモチーフとした黒のリングシューズだった。
メイビアはまだザ・ロックではなくて、ハンターもまだトリプルHではなかった。“大化け”にはいくつかのドラマとその起承転結のプロセスが必要だった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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