――ECWのオフィシャルTシャツの背中には“ジョイン・ザ・レボルーションJoin The Revolution（革命に参加せよ）”というコピーが躍っていますね。 「レスラーたちは自由なんです。それは、なにをやってもかまわないという自由ではなくて、どちらかといえばクリエイティブなフリーダムです。こういうレスラーになりたい、という自分になってしまえばいいんです」 「メジャーといわれている団体のリングに上がる実力とコネクションがあるにもかかわらず、わざわざECWを選択してくれたレスラーたちがいます。メジャーリーグのプロレスがあまりにもつまらないのでここにいる、というレスラーたちもいます。また、メジャーリーグの内部の人間関係にうんざりしてここに来たレスラーもいます。どこへも行くところがないからここにいるという選手だっているし、その反対に、ここで名を売っていずれはメジャーリーグのリングに上がろうとしている選手もいる。ひとりひとりがそれぞれのモチベーションを持ってここに集まっているのです」 ――それが“革命に参加せよ”のスローガンなのですね。 「彼らは彼らが考えるところのプロフェッショナル・レスリングをリングの上で現実のものとし、わたしはプロデューサーとしてそれを映像化し、テレビ番組、ビデオ作品として再生産していく。レスラーたちは肉体的、精神的、そしてあるときは経済的な犠牲をはらってこのリングに上がっている。わたしもまた肉体的、精神的、そして経済的な犠牲をはらってレスリング・プロダクトをクリエイトする」 「それにかかわったすべての人間の労力、努力、犠牲、不安、恐れ、抑制、欲求、願望、情熱がひとつの場所に集まってECWはかろうじて形になっているのです。そして、すばらしいプロレスを世に出すこと。それがオルガズムなのです」（PART2につづく） ※この連載は月～金で毎日更新されます 文／斎藤文彦　イラスト／おはつ ※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら（https://nikkan-spa.jp/inquiry）に！　件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。