拘束ジャーナリスト常岡浩介「怖い尋問を“爆笑尋問会”にするサバイブ術」
’10年にアフガニスタンで5か月余りの拘束の後、生還を果たしたときも常岡氏は策を弄していた。
「拘束場所の上空に米軍のドローンがよく飛んできたので、犯人グループがいるときは屋根のあるところに身を隠して、『私がここにいることがわかれば、あなたたちは攻撃される』と恩着せがましく話しました。そして、監視がいないときは、目立つよう上半身裸になって外に出て、ドローンに自分の姿を思い切り撮影させていた。でも、サバイブ術というより、犯人と一緒にいるときは仲良くして、一緒にいないと出し抜くんだから、ただの性格悪いヤツですよ(苦笑)」
ときに舌鋒鋭く公安警察を批判し、ときにユーモラスに自身の拘束を語る常岡氏が、声のトーンを落としたのは、’15年7月からシリアで拘束されているジャーナリストで、友人でもある安田純平氏について尋ねたときだ。
「拘束しているヌスラ戦線は、これまで一度も外国人の人質を殺害していない。ただ、シリアの反体制派を支援するアメリカがトランプ政権となり、アサドとプーチン側につく可能性がある。もしそうなれば、日本人を含む欧米人を敵と見なし、安田くんの危険は増すことになる……」
常岡氏が何度も捕まるのは、そのたびに生還しているからだ。安否が心配される安田氏にも、そうなることを期待したい。
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