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まだあった「日本の大麻村」目撃情報の数々――ライダーやキャンパーを装った愛好者らが大挙

大麻 大麻については「ヒッピー的な生活の中のあくまで副次的な存在。だけど不可欠なものでもあった」とHさんは回想する。 「夏は毎週末、海沿いに住むサーファー夫妻の家で集落の仲間たちや、外から来た友人たちとパーティーをしていました。生演奏しながらゆるくご飯やお酒を楽しむ。そうした場に、常に誰かが大麻を持ってきていた。僕もミュージシャン仲間からもらったものを持ち込んでいましたよ。自分で栽培している人もいましたが、質が悪かった(笑)。子供たちの前で堂々と吸う親もいましたが、昼間は普通の社会生活を営み、地域にもある程度溶け込んでいたので、住民との関係は良好でしたよ」  3.11の原発事故を機にHさんは九州に引っ越したが、このコミュニティは今でも存在し、新規の移住者もいるという。  十数年にわたり、摘発を免れ続ける大麻村はまだまだ日本に残っている。元警視庁刑事で薬物問題に詳しい吉川祐二氏は言う。 「大麻乱用者は、覚醒剤・ヘロイン乱用者と比べ罪の意識が格段に低い。『この程度では捕まらない』と高を括っている者も多い。また閉鎖された集落内でのみ大麻を使用している場合、暴力団が不特定多数を相手に薬物を売り捌くのと異なり、事件を現認することが困難。警察や麻取も風評だけで逮捕することはできないのです」  一方、現役の警視庁組対5課の刑事はこう警告する。 「大麻の検挙数は昨年2101人に上り、’14年から2割も増えた。今年もさらなる増加が見込まれる。大麻村は現状では麻取のほうが摘発に積極的ですが、警察のほうも今、情報収集を強化している。今後は摘発が続くことになる」  乱用者にとっては桃源郷のような大麻村だが、その外堀は着実に埋められつつあるようだ。
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まだあった日本の大麻村
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