今さらだけど「コンピュータの2000年問題」って結局どうだったの? 飛行機の墜落まで噂されたミレニアム前夜の真相
ところが、年が明けてみても大した混乱は起きなかったことから、「拍子抜けした」「取り越し苦労だったのでは」という印象が強い。だが、それはミレニアムイヤーに浮かれていた一般人の話。我々の知らないところで、各企業のプログラマーやSE、システム設計者は泊まり込みの臨戦態勢で、年越しの瞬間を迎えていたという。
「当時のIT関連技術者の数はおよそ80万人ほど。その3割近くが、Y2K問題の準備や対応に駆り出されました。もともと業界では’97年頃から問題は顕在化していて、周到な対策が練られていました。当時の通産省がしきりに対応を呼びかけたり、コンピュータメーカーが対策プログラムを提供したりしたことで、問題を未然に防ぐことができたんです」
何事もなかったのは、技術者たちによる“プロジェクトX”ばりの努力のおかげだったのだ。
似たような問題は、実は翌年の’01年にも起きていた。「10億秒問題」ともいわれ、コンピュータの時刻管理の基準である1970年1月1日からの経過秒数が、2001年9月9日にちょうど10億秒で10ケタとなり、表示限界の9ケタを超えるためコンピュータが対応できなくなる問題だ。
「ただし、これはY2K問題のときにすでにわかっていたことなので、同時に対策を取っていたところがほとんど。世間にもほとんど知られませんでした」
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