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西寺郷太×新垣隆 あえて今“ゴーストライター騒動”を語る――CDが18万枚も売れたのは“聾唖の作曲家”というストーリーがあったから

――そこで今回、新垣さんとの対談の場を設けたわけですが、新垣さんは映画をどのようにご覧になりましたか?

新垣:相変わらず彼は普段通りである、という印象ですね。私の知っている佐村河内守そのもので、特に深い感慨はありませんでした。ただ、それは私が彼のことをよく知っているからでしょう。

西寺:誰もが気になるところだと思うので敢えて聞きますが、そもそも佐村河内さんは作曲できるんですか?

新垣:彼と出会った20年ほど前、私は彼の作品集のカセットテープを聴いています。

西寺:最初は作曲していた、と。その話だけでも衝撃的ですよね。当事者の言葉、一次情報を聞くのが一番面白い。

新垣:最初は共同作業だったんです。彼の作ったサンプル音源があって、僕がアレンジして、オーケストレーションして。(1997年公開の映画『秋桜』の音楽を作曲した当時の雑誌記事を取り出す)

⇒【写真】はコチラ(雑誌記事) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1292258

現在とは異なり、ビジュアル系ルックスの佐村河内氏を紹介する記事

西寺:「新垣氏の絶妙な指揮」って、しっかり名前も出ていますね。

新垣:私は演奏家としてクレジットされています。このとき、彼は「申し訳ないけどこの曲をオレにください」と言いました。

西寺:「その独自の作曲法は秘密とされている」って書いてありますね(笑)

――レコード会社は共同作業であることを知っていたんですか?

新垣:知らなかったと思います。彼が伏せていましたから。ただ、修正などがある場合に「それは助手に任せている」という話になり、そのときに私の名前が何度か出ていたようです。オーケストラの演奏時には、彼は「耳が聴こえないから、(新垣氏が書いた)譜面が全てだ」という話で進めていたはずです。

西寺:映画では新垣さんも登場していましたが、もし森監督が僕の勝手な推測のように「新垣さんでもう一本撮りたい」と言ってきたらどうします?

新垣:もちろん受けます。ないと思いますけど。

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スキャンダル以降は?

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