西寺郷太×新垣隆 あえて今“ゴーストライター騒動”を語る――CDが18万枚も売れたのは“聾唖の作曲家”というストーリーがあったから
―[西寺郷太×新垣隆]―
2014年、センセーショナルに取り上げられた“全聾の作曲家”佐村河内守氏を巡るゴーストライター騒動。しかし、昨今のスキャンダル報道の御多分に漏れず、事件はほどなく風化……したかに見えた2016年、佐村河内守氏に密着したドキュメンタリー映画『FAKE』(森達也監督)が公開され、衝撃的なラストシーンは大きな話題を呼んだ。一体、騒動の真実とは何だったのか? 自著でもゴーストライター問題を扱うなど、その内実に詳しいミュージシャンの西寺郷太氏が『FAKE』で密着されなかったもう一方の当事者である新垣隆氏にその真相を直撃した!
西寺:今日、たまたま岡村靖幸さんから連絡があって、新垣さんと会うことを話したら驚かれてました。岡村さんは森達也監督作品に詳しくて、『FAKE』も僕と同じ回に試写を観ていたので。
新垣:未だにそう言ってもらえるのも、なんだか光栄です(笑)
西寺:実は僕、騒動の直前にゴーストライターをテーマにした『噂のメロディ・メイカー』という小説を書いたんですよ。きっかけは、知人から聞いた「ワム!の『ラストクリスマス』は、実は日本人のゴーストライターが書いた」という話。もしそうなら、日本人が作った最大のヒット曲になりますよね。
当時は日本企業が世界的に躍進していた時期で、企業が自社のイメージに合った歌を作り、海外のミュージシャンに提供することで、ブランディングとマーケットの開拓というWIN-WINの関係が出来上がる。そう考えると、あながち与太話ではないかも――ということで、2008年から調べ出して、『噂のメロディ・メイカー』という小説を書き始めたのが2013年。そして、1年かけてようやく書き終えたのが2014年1月25日。その翌週に佐村河内さんと新垣さんのゴーストライター問題が発覚したんです。すごい偶然で、びっくりしました。
――奇妙な縁を感じますね。その後、風化しかけた昨年に、騒動の新たな側面に迫る『FAKE』が公開されました。
西寺:ニュースって2、3カ月は集中的に取り上げるじゃないですか。そのときは一斉に同じこと聞くのに、急に「その話もういいから」ってフォローがなくなる。だから、風化しかけたゴーストライター問題を改めて映画にしたのは、森監督の凄いところですよね。今回の対談も、世間からしたら「え? 今更やるの?」って感じかもしれない。でも、だからこそフェアな気がするんです。僕は大きな波が去った後とか、そういうズレたタイミングが大好きな人間で(笑)。時間が経ったから今こそ、わかることもあるだろうと追いかけてみるという。
――映画を観た感想はいかがでしたか?
西寺 試写会にはたまたまなんですがミュージシャン仲間が結構集結していて、その後、飲みに行ったんですよ。岡村さん、それから水曜日のカンパネラのコムアイちゃん、OKAMOTO’Sのレイジくんも。
意見は様々でしたが、僕としては、あの映画は「表もあれば裏もある」「信じていたものも嘘かもしれないよ」という問題提起であって、「実際に佐村河内さんが作曲していたのか?」という点は本質的なテーマではないと感じました。だから、『FAKE』は序章に過ぎず、森監督はB面として同時進行的に新垣さんに密着した映画を作ってるんじゃないかってその夜、推論を話したし、最近まで思い込んでいたんです。『FAKE2』とか『REAL』とか。でも、新垣さんからそんな続編はないと伺って、ちょっと肩透かしですね。
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