WBC侍ジャパン初戦! キューバの“弱さ”は本物か、“死んだフリ”なのか?
この日西武投手陣から4安打し、ひとり気を吐いた4番のサーベドラも表情に疲労感をにじませながら「時差や食事の面で苦労している」と正直な感想を述べた。
06年大会で侍ジャパンのコーチを努め、日本の優勝に尽力したこの日の対戦相手の西武の辻発彦監督も「失礼かもしれないけど、正直手応えがなかった」「脅威は感じない」とキューバ代表の強さを肌で知るものとして、拍子抜けしたというコメントを残した。
しかし、それを額面どおりに受け取ることはできない。キューバ代表はかつて先発オーダを交換した後、打順を変更したり、登録外の選手をベンチに入れたりと「怪しい動き」をしてくることで有名だからだ。事実、この日もメンバー表に書かれた先発投手を急遽変更、その理由を「(戦略的なものではなく)単に書き間違え得ちゃったんだ」と飄々と説明するマルティ監督の様子に「只者ではない」という印象を受けた。
国際大会本番で勝つためにはなんでもする、「ずる賢さ」がキューバ代表にはある。早々と今日の先発投手(石川歩)を明言し、正々堂々と戦おうとする日本にはない、“国際経験”が果たしてどう結果に出るのか、キューバの先発投手は技巧派右腕のエンテンザと発表しているが、果たしてどうなるのか。
お隣韓国で行われている、A組では韓国、台湾が初出場のイスラエルに相次いで敗れるなど、波乱含みで始まった第4回WBC大会。勝負は蓋を開けてみるまでわからない。
取材・文/遠藤修哉(本誌)
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